国防部がTHAAD(高高度防衛ミサイル)のX(エックス)バンドレーダーの電磁波の安全性を21日に測定しようとしたが、住民の反発が続き一週間後に延期した。住民たちは今回の測定作業に対し、「手続き的正当性をでっち上げる行為であり、THAAD配備の正当性を確保する意図がある」とし参加を拒否した。
国防部は21日に予定された電磁波安全性測定を来週に延期すると20日明らかにした。国防部関係者は「本来THAAD電磁波測定の趣旨が軍・官・民が一緒にするということなのに、住民たちが反対するので住民に十分に説明し理解を求めて行うのが良いと判断した」と延期の背景を説明した。国防部は当初、21日午前10時30分から午後6時までTHAADが配備された慶尚北道星州郡(ソンジュグン)草田面(チョジョンミョン)韶成里(ソソンリ)と周辺地域の金泉市(キムチョンシ)南面(ナムミョン)月明里(ウォルミョンリ)、農所面(ノンソミョン)老谷里(ノゴンニ)、栗谷洞(ユルゴクドン)で、THAADレーダー電磁波の安全性検証を民・官・軍合同で行う計画だった。国防部はこうした方針を18日に住民たちに電話で知らせ、住民たちが参観団として現場検証に参加してほしいと要請した。
THAAD配備撤回星州闘争委員会、THAAD配備反対金泉市民対策委員会、円仏教星州聖地守護非常対策委員会、THAAD韓国配備阻止全国行動、THAAD配備反対大邱(テグ)慶尚北道対策委員会、THAAD配備阻止釜山蔚山(ウルサン)慶尚南道対策委員会(仮)などの関連団体は19日に会議を開き、国防部の電磁波安全性測定参加要求を断ることで意見を集約した。これらの団体は20日午前11時、韶成里会館前で記者会見を行い「一方的で欺瞞的な電磁波測定計画を取り消せ。電磁波などTHAAD配備が環境と健康に及ぼす影響は、戦略環境影響評価によって評価せよ。THAAD装備の稼動を直ちに中断し、撤去して再検討と公論化から進めよ」と明らかにした。
イ・ジョンヒ星州闘争委委員長は「国防部の実務者から戦略環境影響評価とは関係なく、金泉革新都市(栗谷洞)から電磁波に関連した嘆願が寄せられ実施するものと聞いた。THAAD配備のための名分作りではないかという判断で受け入れないことにした」と話した。
今回の電磁波測定は、戦略環境影響評価とは別に進行されるものであるという。大統領府は先月7日、星州ゴルフ場に配備されていないTHAAD発射台4基は、国防部の戦略環境影響評価が終わった後に配備の可否を決めると明らかにした。ただし、すでに星州ゴルフ場に配備されたレーダーと発射台2基は撤回しないことにした。これに先立って大統領府は先月5日、国防部がTHAAD敷地を在韓米軍に提供し戦略環境評価(敷地面積33万平方メートル以上)を避けるために「敷地分け」をしたと明らかにした。70万平方メートルある敷地を2つに分けて、32万8779平方メートルだけを先に在韓米軍に提供し、残りの37万平方メートルは今後提供することにするという法律逃れをしたということだ。