国定歴史教科書を使う研究学校申請をした学校が僅か2校に過ぎないことが明らかになった。教育部が申請の締め切りを15日までに5日間延長して督励したにもかかわらず、結果は0%に近い。教育現場に徹底して背を向けられた事実上の死亡宣告だ。
申請した慶尚北道の2つの高校も正常な手順を踏んだとは見難い。教育部の指針は「教員の80%」以上の同意を得てこそ研究学校の申請ができるようになっている。ところが慶尚北道教育庁がこの制限を勝手に緩和した。ある学校は学校運営委で5対4で通過させたが、他の一校はこれすらも経ずに校長が直接申し込んだという。
教育部はこうした状況でも研究学校での運営結果を反映して、来年から既存方針通りに国定・検定混用を押し切るという雰囲気だ。しかし、誰も信じないごり押しで国民を愚弄する行為だ。立法を通じてでも、政権交替によってでも、国定教科書が廃棄される運命であることは誰も疑わないだろう。国定教科書政策の失敗を認めたくなくて、ダチョウが砂場に頭を埋めるように現実を無視する詭弁に過ぎない。
“朴槿恵(パク・クネ)教科書”の失敗は当初から予想されていた。着手の動機からして大統領の父親を美化したいという欲から始まったので「朴正煕(パク・チョンヒ)美化」「親日附逆派の責任縮小」など偏向教科書になる運命だった。覆面執筆と密室審議の主役は、やはりニューライト史観の特定研究会に偏重されるなど、偏向的に構成されたので必然的な結果であった。1948年「大韓民国樹立」など臨時政府の法の正統すら否定する反憲法的な怪物教科書が、生命力を持てるはずもなかった。大統領の任期中に国定教科書を作り出すという欲のために、製作期間まで無理に操り上げ、結局間違いだらけの不良品が誕生した。大統領だけでなく、何の問題意識も持たずにこれを持ち上げ押しつけた魂のない教育部官僚らの責任を見逃すことはできない。
教育部は今からでも国定教科書が国民から徹底的に拒否されたことを認めなければならない。そしてこれまでの誤りを国民に告白し謝罪するのが当然だ。数十億ウォンの血税を浪費して、数年間にわたり混乱を招いたことに対しても責任を負わなければならない。
今後、教育界と市民社会を中心に常識と当然な道理により十分な時間をかけて既存の検定教科書体制を発展させる方案に知恵を集めなければならない。
韓国語原文入力:2017-02-16 18:47