登録 : 2017.01.17 00:12 修正 : 2017.01.17 06:51

在日韓国人スパイ事件の担当捜査官 
裁判で「捜査時拷問はなかった」と偽証し 
裁判所「3千万ウォン賠償せよ」…
国家保安法捜査官に初の高額判例

ソウル東部地方裁判所=資料写真//ハンギョレ新聞社

 1980年代のスパイ事件の捜査責任者が「捜査時に拷問はなかった」と法廷で証言したことを、裁判所が偽証と判断し、被害者に3千万ウォン(約290万円)を賠償せよと判決を下した。国家保安法事件を担当した捜査官が拷問の事実を否定したことで、被害者に高額の損害賠償金を支払うよう命じたのは初めてだ。

 ソウル東部地裁民事単独11部のキム・ウンソン判事は、「在日同胞スパイでっち上げ事件」被害者のY氏(64)が、当時の捜査官であるK被告(78)が法廷で偽証し精神的な被害を受けたとして起こした損害賠償請求訴訟で、K被告の偽証が認められるとし、Y氏に3千万ウォンを賠償するよう判決を下したと16日明らかにした。

 在日韓国人のY氏は1984年8月、韓国滞在中に保安司により突然ソウル長旨洞(チャンシドン)の分室に連行された。Y氏は43日間拘束令状なしに拘禁され取り調べられ、こん棒や水拷問などを受け、スパイだと虚偽の自白をした。Y氏はその年11月に国家保安法違反の疑いで裁判に付され、懲役7年の刑を言い渡され、1988年6月に仮釈放になるまで獄中生活をした。

 「真実和解のための過去事整理委員会」は2009年10月、「1984年在日同胞留学生スパイ団事件」が不法監禁と過酷行為などによるでっち上げと明らかにした。Y氏は裁判所に再審を請求し、最高裁判所で2011年11月に無罪確定判決を受けた。当時Y氏を捜査したK被告は、保安司捜査2係の調査官だった。K被告は2010年6月に再審法廷に証人として出席し、「拷問はしなかった。今は歳をとって覚えていない」などと証言した。

 しかし、キム・ウンソン判事はK被告の証言を偽証と判断した。キム判事は「真実和解委員会の調査などによると、捜査2係の捜査官らが多数拷問に加わったが、捜査2係の最上級者だったK被告がその事実を知らなかったはずがない。長旨洞分室に実際に存在した『拷問椅子』についても『高齢なので覚えていない』としたのは罪を回避するための供述だ」とし、偽証に当たると説明した。キム判事は「Y氏が偽証により受けた精神的損害による慰謝料の額は少なくともY氏が請求した金額である3000万ウォンにはなる」と明らかにした。

 これまで国家保安法でっち上げ事件の被害者が国家を相手に損害賠償訴訟を起こしたことはあるが、拷問がなかったと主張した捜査官個人に裁判所が責任を問うたのは今回が初めてだ。国家保安法関連被害者たちの類似した訴訟が相次ぐものと見られる。

 Y氏は2012年、K被告をソウル中央地検公安1部に謀害偽証の疑いで告訴までした状態だ。検察が捜査に乗り出せばK被告は刑事処罰を受けることになる可能性もある。

ホ・ジェヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-01-16 22:18
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/778948.html 訳M.C(1342字)

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