韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が14日、仮署名される。先月27日に韓日間の協議開始を発表してから僅か18日後に電撃的な合意に至る超高速推進である。野党と市民社会の激しい反発が予想される。
国防部は13日、記者団に送った携帯メールを通じて、「韓日両国は東京で軍事情報包括保護協定の締結に関する第3回課長級実務協議を開催する予定」としたうえで、「今回の協議で協定文全体に対する検討が行われるだろう」と明らかにした。国防部当局者は「今回の第3回協議で、双方が協定に仮署名を行うと聞いている」と話した。同日に仮署名が行われれば、韓日間の実務交渉はすべて完了する。政府は法制処の協定文案審査と次官会議、閣議決定、大統領の署名に至る国内での手続きを終え、今月末には韓日外交当局の正式署名と共に発効させる計画だ。
今回の協定の内容は2012年6月に推進したが、白紙化された協定とほぼ同じであるという。国防部当局者は「2013年12月に日本で特定秘密保護法が制定され、変化した法的状況を反映して用語などに手を入れたことを除くと、大きく変わったことはない」と話した。2012年の協定には、両国が「2級」またはそれより高度の軍事情報を交換する場合、互いに法的保護を保障する内容が盛り込まれている。
韓日軍事情報包括保護協定の締結には両国の軍事協力を強化する意味が込められている。韓国軍当局は協定が締結されれば、日本の対北朝鮮軍事情報を活用できると期待している。しかし、韓日軍事協力の強化は、最近集団自衛権の行使で作戦範囲を拡大した日本の自衛隊の朝鮮半島への影響力を拡大する足掛かりになる可能性がある。また、中国を包囲する韓米日3角軍事協力体制に韓国が包摂され、韓中関係にも否定的な影響を及ぼしかねないという懸念の声もあがっている。
野党は、協定に強く反対している。野党3党は今月9日、交渉中断を求める決議案を採択しており、共に民主党は10日「交渉を強行すればハン・ミング国防部長官の解任建議案を提出する」と明らかにした。世論も先月3日のリアルメーターによる調査の結果、協定に反対する意見が47.9%で、賛成意見(15.8%)を大幅に上回るなど、協定の締結を推し進めている政府に批判的である。にもかかわらず、政府が協定の締結を強行するのは、大統領府が、「朴槿恵・チェ・スンシル事態」で追い込まれた危機状況でも、国政が正常に行われていることを誇示することで、世論を糊塗する狙いがあると見られる。