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[ニュース分析]韓国政府、韓日軍事情報包括協定を再推進

登録:2016-10-28 00:44 修正:2016-10-28 06:57
「対北朝鮮強硬策→北朝鮮核の脅威→韓日軍事協力強化」の悪循環 
イム・ソンナム外交部第1次官(右から)、日本外務省の杉山晋輔事務次官、トニー・プリンケン米国務副長官が今月27日午前、東京の飯倉公館で韓米日外交次官協議を終え、記者会見をしている=東京/聯合ニュース

国防部「日本の優秀な情報収集能力を北朝鮮の脅威に対応するために活用する必要がある」 
米国の中国牽制に動員されると共に、自衛隊の朝鮮半島への影響力が強まる可能性も
 

 政府が27日発表した「韓日軍事情報包括保護協定の交渉」の推進は、大きくは米国が主導する韓米日3角軍事協力の強化、小さくは韓日軍事協力の強化という流れを加速するものと言える。韓国政府の終わりなき対北朝鮮強硬策に、北朝鮮がミサイル発射と核実験で対抗し、またこれを口実にして韓米日軍事協力と韓日軍事協力の強化に乗り出す流れである。これによって、韓国が米国の中国牽制に動員される危険性が高まると共に、最近、集団的自衛権行使の容認で活動範囲を広げている日本自衛隊の朝鮮半島に対する発言権が強化される点が懸念されている。

 国防部が韓日軍事情報包括協定を推進する理由として掲げているのは、大きく分けて三つである。まず、2014年12月に締結した韓米日3カ国の情報共有約定をこれまで施行してみた結果、米国を経由せず、韓日間の直接的な情報交流を通じて北朝鮮の核とミサイル関連情報を迅速かつ正確に取得する必要性が確認されたということだ。また、韓米日3カ国間の情報共有約定が3カ国間で共有できる情報の範囲を北朝鮮の核・ミサイル情報に限定しているため、軍事的効用性を極大化するのが難しいという説明だ。国防部当局者は「例えば、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の脅威は、ミサイルだけでなく、潜水艦に関する情報も重要だが、既存の情報共有約定では潜水艦に関する情報共有は制限される」として、「今回の韓日軍事情報包括協定では、北朝鮮の核・ミサイル情報が中心になるものの、交流する情報の範囲を明示的に制限しないようになる」と話した。

 国防部は、日本の軍事情報収集能力が優れている点も、今回の協定を推進する理由に挙げた。国防部当局者は「日本は情報衛星をはじめ、イージス艦、地上レーダー、早期警報機など、情報資産を多数保有している」とし、「韓日間協定が締結されれば、このような情報を韓国が活用できるようになるだろう」と話した。 実際に、日本は韓国軍が保有していない偵察衛星を4機運用しており、今後もさらに増やす計画であるという。

 しかし、北東アジアの安保情勢を考慮せず、軍事的効率性や有用性の側面だけを見て韓日軍事情報協定を推進するのは危険だという指摘もある。米国は、中国をけん制するため、韓米日3角安保協力を実現させるという戦略的構想に基づき、韓日軍事協力の強化を強く求めてきた。実際に、韓日軍事協力の背景にはいつも米国の強い要求があった。朴槿恵(パク・クネ)政権初期に冷え切っていた韓日関係の雪解けのきっかけも、2014年3月、バラク・オバマ大統領の主導で核安保首脳会議の開催地のオランダ・ハーグで開かれた韓米日首脳会談だった。それ以降、韓日軍事協力が本格化し始めた。昨年5月には韓日国防長官会談が4年ぶりに開かれ、軍事協力の強化に合意し、これによって10月には韓国海軍の大祚栄艦が13年ぶりに日本で開かれた観艦式に参加した。また、今年3月には韓日海軍参謀総長協議が5年ぶりに、4月には韓日陸軍参謀総長協議が8年ぶりに開かれた。米国はまた、2014年12月、韓米日3カ国間の情報共有約定を主導して、事実上、今回の韓日軍事情報包括協定への扉を開けた。このような状況で、今回の協定の推進は、米中間の軍事的対決構図に組み込まれる手順になる可能性もある。

 韓日軍事協力の強化が日本の自衛隊の活動範囲を拡大する足がかりになりかねないという点も懸念されている。日本の自衛隊は昨年、安保法制の制定・改正を通じて集団的自衛権の行使が可能になった。また、米海軍艦船の防御範囲が拡大されており、現在、戦争が起きていないところも、兵站などの後方支援ができるようになった。自衛隊が韓日間の軍事協力などを媒介に、朝鮮半島に対する軍事的影響力を拡大する余地が大きくなるのだ。

 実際に韓日は、自衛隊の作戦範囲と関連して、意見の食い違いを露呈したことがある。昨年10月の韓日国防長官会談でハン・ミング国防長官は「自衛隊が北朝鮮で作戦を行う場合、韓国の承認を受けなければならない」と主張した。しかし、中谷元当時防衛相は「韓国の実効支配が及ぶ範囲はいわゆる休戦ラインの南側という一部の指摘もある」と反論した。北朝鮮に対する軍事作戦の裁量権を持つという趣旨だ。このように自衛隊が朝鮮半島を対象とした作戦を念頭に置いている状況で、韓日軍事協力の強化の適切性に疑問を呈する声も上がっている。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/767739.html 韓国語原文入力:2016-10-27 21:47
訳H.J(2158字)

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