日本のメディアが韓国国防部の韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)再推進の方針に関連して、「韓国の国内状況から見て、締結は容易でないだろう」との見通しを示した。協定の締結を強く主張してきた日本政府は極力言及を控えた。
「毎日新聞」は28日付で、韓国国防部が2012年に一度推進して挫折したこの協定を再び推進すると発表した事実を伝えた後、「朴槿恵(パク・クネ)政権の国内での求心力が急速に低下しており、世論が敏感に反応しやすい日本との安全保障協力が順調に推むかは不透明だ」と見通した。「日本経済新聞」も「朴大統領が自身と関連した内部文書流出問題で窮地に立っている。署名がなされるまで韓国の世論を楽観視できない」という日本政府の不安な声を伝えた。また「朝日新聞」は日本外務省関係者の発言を引用し、「国内の反対意見を押し切る体力が朴槿恵政権にあるかどうか…」という懐疑的な反応を示した。「陰の実力者」チェ・スンシル氏の国政介入波紋で、韓国政府が反対世論の強いこの協定を押し通すことは難しいという悲観的な見方が主流をなしている。
日本のメディアが代わりに強調したのは、この協定の締結によって韓日両国が得られる軍事的利点だった。「読売新聞」は「北朝鮮西部から弾道ミサイルが発射されれば、日本海に展開されている海上自衛隊のイージス艦が航跡を追跡することは不可能だ。 (しかし協定を締結すれば、日本が)黄海に配備された韓国海軍の情報を入手できるようになる」と指摘した。「日本経済新聞」は韓国でも「日本の偵察衛星の情報に加え、北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル((SLBM)を開発するなかで自衛隊の哨戒機による対潜水艦探知能力への期待がとりわけ強い」と強調した。
菅義偉・官房長官は27日、定例記者会見で、韓国の今回の決定を「歓迎する」と表明する代わりに、「韓日安保協力が重要だ」という一般論の言及にとどまった。杉山晋輔・外務省事務次官も外務省で日本の記者団と行った記者会見で、「(協定が実際に締結されるかどうかは)韓国の世論にかかっている。協議再開と実際の署名は別問題」だと述べた。