昨年の日本軍「慰安婦」被害者に関する「12・28韓日合意」以降に設立された和解・癒やし財団が、「慰安婦」被害者を対象にした現金支援を開始した。日本政府が今年8月、10億円(109億ウォン)を韓国側に送金したことに伴うものだ。韓国国内の反対世論にもかかわらず、日本政府との合意の履行に乗り出した政府に対し、慰安婦被害者ハルモニ(おばあさん)キム・ボクトンさんは「慰労金(癒やし金)をもらって私たちを売り渡した」として、強く反発した。
財団は14日、理事会を開き、個別被害者を対象した事業を受け入れる意思を明らかにした被害者に対し、来週からできるだけ速やかに現金を支給することを決めたと発表した。今月11日、財団は「個別被害者対象事業」の公告を出し、「すでにこの世を去った被害者遺族に2000万ウォン(約84万円)、生存している被害者に1億ウォン(約920万円)の現金を支援する予定」だとして、「10月11日から来年6月30日までに被害者本人または代理人、遺族が財団事務室を訪問するか、登記郵便で申請書を送ってもらいたい」と明らかにした。
財団は、政府に登録された慰安婦被害者245人のうち、昨年12月28日の合意を基準として、生存している46人のうち32人との面談を進めたことを明らかにし、「面談が実現したた29人は、いずれも財団の事業を受け入れる意思を明らかにした」と伝えた。
キム・ボクトンさんは同日、記者会見を開き、政府を強く批判し、「安倍が悪かった、法的に賠償すると言うまでは、最後まで戦う」と述べた。韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)は声明で「癒やし金を受け取るか否かにかかわらず、すべての日本軍『慰安婦』被害者と遺族には依然として正しい問題解決を要求し、被害を賠償してもらう権利がある」としたうえで、「韓日合意が日本政府の法的責任を解決できなかった以上、韓国政府には日本政府に法的責任を追及する責務がある」と指摘した。