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ナヌムの家の慰安婦被害者たち、訪問議員らに「お金ではなく日本政府の謝罪を」

登録:2016-10-13 01:08 修正:2016-10-13 07:18
国会外交統一委員、慰安婦被害者を訪ね 
セヌリ党議員は多数不参加 
ハルモニたち「お金ではなく謝罪がほしい」
12日、京畿道広州市退村面のナヌムの家を訪問した国会外交統一委員会委員らが、日本軍「慰安婦」被害者女性たちと話をしている=広州/聯合ニュース

 「キム・ムソン氏は来ると言ったのに、セヌリ党というところは嘘も上手ですね。はっきり名簿の一番上に名前を載せていたのに来なかった。この問題を解決するのに民主党もセヌリ党もありますか」

 12日午後、京畿道広州(クァンジュ)市にある日本軍「慰安婦」被害者の憩いの場「ナヌムの家」を訪れた国会外交統一委員会所属の議員らを前に、慰安婦被害者のイ・ヨンスさん(89)は問い詰めた。この日午前まで訪問する議員のリストには、セヌリ党からはキム・ムソン前代表をはじめ、ウォン・ユチョル前院内代表やユン・サンヒョン議員も含まれていたが、現場には現れなかったために吐き出された不満だ。キム前代表とユン議員室の関係者は、両議員が「別の予定のため出席できなかった」と話した。

 1時間ほど続いた懇談会に出席した議員らは、うなだれたり目をつぶるなどして被害者ハルモニ(おばあさん)たちの話を聞いた。

 慶尚北道尚州(サンジュ)の裕福な家の末娘だったカン・イルチュルさん(89)は、中国に連行された話を一言一言つむいだ。カンさんは「私は涙が、血の涙が出たが、我慢している。私たちは自分の中にあるものを国会議員たちに(言って)、しっかりするように伝えよう」と誓うように語った。そして、議員たちに畳みかけた。「なぜ黙っているの?国会議員たちがこんなことも知らないのかい?私たちが強制的に連行されたというこのことも?」

 ハルモニたちが懇談会の間中、議員らに必ず伝えようとした内容は一つだった。「私たちはお金ではなく、(日本政府の)謝罪を受けたい」。特に今月3日、日本の安倍晋三首相が衆議院予算委員会で、韓国政府が事実上要請した被害者に対する謝罪の手紙など「追加の感性的な措置」について「毛頭考えていない」と釘を刺した事実を想起させ、いつにもまして日本政府の公式謝罪と賠償が重要だと強調した。

 イ・ヨンスさんは、「安倍(首相)は死んでも謝罪できないと言うので、(日本政府が『拠出金』として出した)10億円を返して、(韓日12・28合意の履行のために政府主導で設立した)『和解・癒やし財団』を廃止せよ」と繰り返し要求した。イさんは、「なぜ(政府が)勝手にするのですか。それはいけません。私たちは必ず生き抜きます。最後まで、後世のためにも最後まで闘うつもりです」と話した。98歳のハルモニは「闘うのにちょうどいい歳」だとし、最後まで活動すると約束した。

 これに対し共に民主党の カン・チャンイル議員は「本当は日本国王(天皇)や安倍が来て謝罪しなければならないのだが…私たちが罪人です」と言い、「いつか日本国王や首相が来てひざまずいて謝罪するでしょう」と慰めの意を伝えた。共に民主党所属の シム・ジェグォン外交統一委員長も、「昨年12月28日の合意がハルモニたちに心の傷を負わせたことになり、私たちも心から申し訳なく、心配もしている」と言い、「私たちの心は一様に、どうかハルモニたちに残された小さな望みが叶うよう努力を尽くすこと」と約束するように述べた。

 議員らが帰った後、ナヌムの家の関係者は「毎年外交統一委の議員らが訪れるが、言葉では努力すると言うが帰ってからは何の音沙汰もないため、ハルモニたちはいつも残念がっている」と話した。

 そんな残念で悲しい思いのために、「歴史の生き証人」(イ・ヨンスさん)であるハルモニたちは、ナヌムの家を去ろうとする議員らを追いかけ、 もう一度切々と頼み込んだ。このようなハルモニたちの、こだまが返ってこない切実な願いは、もう20年目になる。

キム・ジウン、キム・ジンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/765388.html 韓国語原文入力: 2016-10-12 19:34
 訳M.C

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