登録 : 2016.06.29 00:18 修正 : 2016.06.29 13:55

済州海軍基地向け鉄筋が示す3つの問題点 
(1)過積載の主因は鉄筋か 
(2)検察はなぜ明らかにしなかったのか 
(3)セウォル号はなぜ無理な出港をしたのか

2014年4月16日に沈没したセウォル号。あれから2年2カ月が過ぎたが悲劇の原因は明らかにされていない=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 セウォル号の惨事が起きた当時、セウォル号には建設用鉄筋410トンが積載されていた事実が公式に確認された。政府はこのうち済州(チェジュ)海軍基地建設用の鉄筋は278トンだったと答えた。だが、政府の確認は多くの疑念を呼び起こしている。政府の方針通りに30日に「4・16セウォル号惨事特別調査委員会」(特調委)の調査活動が終了すれば、2年前の死亡者295人など304人が犠牲になったこの惨事の真実に迫る道はさらに遠ざかるかもしれない。

■合同捜査本部発表より124トン多かった

(1)過積載の原因:済州海軍基地用鉄筋の量は?

 大法院(最高裁)判決が認めたセウォル号の沈没原因は、大きく分けて過積載、不良固縛、船体構造の変更だった。そのうち過積載の原因としてセウォル号が海軍基地建設用の鉄筋を大量に積んでいた事実が明らかになり、新たな疑問が提起されている。

 27日、特調委は「全数調査を通じて確認した結果、セウォル号は当時最大987トンの貨物積載が承認されていたのに、実際には1228トンもの過積載をして合計2215トンを積んでいたと調査された」と明らかにした。このうち鉄筋は410トンで、鉄筋の一部は済州海軍基地に運搬される予定だったことも確認された。この日、国民の党のファン・ジュホン議員も海洋水産部の資料を通じて「セウォル号には鉄筋426トンが積まれており、このうち278トンは海軍基地に向けたものだった」と明らかにした。セウォル号の賠償・補償の内訳を確認した結果だ。特調委の結果より鉄筋の量が16トン多いのは、単一品目として載せられた鉄筋の他に、車両に積まれた鉄筋(済州ソントク通運)まで合算したことによる。これについて特調委側は「(政府が確認した)278トン以外にもH形鋼54トンを含めセウォル号に積まれていた貨物のうち海軍基地用がどれだけだったかは追加確認が必要だ」という立場だ。

 また、この日出てきたのは事故当日の鉄筋積載量だけで、セウォル号が以前に鉄筋などの建設資材を海軍基地用にどのくらい常習的に過積載して運行していたのか、また鉄筋の過積載が事故にどの程度の影響を及ぼしたのかなどが糾明されなければならない。

■済州海軍基地用278トン…野党「政府にも責任」

(2)政府の責任:検察はなぜ明らかにできなかったのか

セウォル号鉄筋積載のミステリー//ハンギョレ新聞社
 2014年10月、検警合同捜査本部はセウォル号捜査結果を発表する際に、総計物量を2142トンと発表した。特調委に提出された捜査資料には、鉄筋の重量が286トンになっていた。これは特調委が発表した鉄筋410トンから124トンが脱落した数値だ。当時の検察セウォル号捜査チーム関係者は28日「直接全数調査をして、車の位置まで監視カメラの画像で確認した。保守的に捉えた面はあるが、立証可能なことはすべて行った」と説明した。

 だが、これまでセウォル号には済州海軍基地向けの鉄筋はないと否定してきた政府の主張が偽りであることが明らかになった以上、検察の調査が不十分だったという指摘は免れがたい。この日、国防部の関係者は「否定してきたのではなく、軍ではこれを確認することは難しいという立場だった」と釈明した。海洋水産部も、こうした事実をあらかじめ知っていたのではなく「4月にあるマスコミ報道を見て、セウォル号賠償補償の内訳などを確認し278トンの鉄筋の受け取り先が済州海軍基地であったことを把握した」と話している。海洋水産部の主張を認めたとしても、少なくとも海洋水産部は鉄筋の重量を把握できる資料を持っていたということになり、4月に特調委が貨物積載量を調査するために賠償・補償内訳、貨物送り状、船積み依頼書などの資料提出を要求した当時には海洋水産部は全く応じなかった。そのため特調委は「荷主を逐一全数調査して貨物量を把握しなければならなかった」と話した。

■貨物過積載が出航強行の理由だった可能性

(3)無理な出航:なぜセウォル号だけが出航したのか

 2014年4月15日午後9時、気象悪化で足止めされていた他の船を置いて、セウォル号だけが仁川港を出た。済州海軍基地用の鉄筋の実体が明らかになり、基地工事の期日に合わせるために無理な出航をしたのではないかという疑惑が提起される。特にセウォル号の沈没当日と翌日、清海鎮(チョンヘジン)海運の社員が国家情報院と通話していた事実が明らかになり、1000トン級以上の沿岸旅客船17隻のうち、事故発生時に国家情報院に報告が義務づけられた船舶はセウォル号だけである点、2012年のセウォル号導入当時、清海鎮海運が作成した文書に「国家情報院ソ○○室長」と記されている点など、過去2年間のセウォル号と国家情報院の“特別な関係”に対する疑惑は絶えなかった。済州江汀(カンジョン)村を中心に激しい反対デモが起きた海軍基地の建設に、国家情報院が関連していたのではないか、また建設工期に間に合わせるために無理な過積載を指示したのではないかも調査が必要な部分だ。

 木浦(モクポ)海洋大のイム・ナムギュン教授は「荷物が多ければ船の復原性が悪くなる可能性が高い。当時の検警捜査で明らかになった貨物量で軌跡シミュレーションをしたが実際の航跡とは合わなかった。復原性がさらに悪くなければ合わないので、セウォル号が引き揚げられたら先ず貨物量を確認しなければならないと考えた」と話した。海軍基地用の鉄筋が積まれた状況について、ファン・ジュホン議員は「セウォル号沈没の主な原因として挙げられた過積載について政府も責任を免れないことが明らかになった。沈没原因を糾明するための特調委の船体調査が行えるよう活動期間を十分に保障しなければならない」と強調した。海洋水産部から30日で活動期間の終了を通報された特調委は、特検要請案を国会に再提出する予定だとこの日明らかにした。

キム・ミヨン、キム・ジンチョル、チェ・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-06-28 22:48
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/750085.html 訳J.S(2720字)

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