本文に移動

海洋水産部、セウォル号引き揚げも始めず特調委活動終了を通告

登録:2016-06-22 21:34 修正:2016-06-23 06:05
政府、特調委人材縮小案を一方的に発表 
特調委活動は今月終了すると言い 
恩着せがましく「船体整理作業には参加させる」
12日午後、全羅南道珍島郡のセウォル号沈没海域で船首持ち上げの工程が行われている。13日、作業の過程で船体の一部が壊れ、引き揚げも7月から8月に先送りされた=海水部提供//ハンギョレ新聞

 政府が「4・16セウォル号惨事特別調査委員会」(特調委)の活動に終止符を打つ手順に入った。海洋水産部セウォル号引き揚げ推進団(海水部)が特調委の活動期間を今月30日までと確定し、一方的に人材縮小案を発表したことに対して、特調委は直ちに「越権であり、受け入れられない」として強く反発した。

 特調委のイ・ソクテ委員長は22日、ソウル・苧洞(チョドン)の特調委事務室で緊急記者会見を行い、「セウォル号の船体引き揚げに関連したことに業務範囲を限定された海水部が、特調委の活動期間や定員算定に介入することは法的根拠のない越権行為」として、「特調委の調査活動強制終了通知を全面的に拒否する」と明らかにした。海水部は今月21日、特調委に対して公文書を送る一方、別途報道資料を出して「特調委の調査活動期間が今月30日に満了する予定で、7月から9月30日までは総合報告書および白書作成期間」とし、「現在92人の特調委職員を72人に減らす」と明らかにした。セウォル号の調査活動は今月末で終了し、白書発刊など整理作業に必要な人材だけを残すということだ。

 海水部は「セウォル号が引き揚げられれば船体整理作業に特調委の参加を保障するだろう」と明らかにしたが、引き揚げが8月に延ばされた状況で、9月末まで船体整理および調査作業への参加を保障するのは辻褄が合わない。特調委は「この期間内に船体をどこまで調査でき、またその結果を報告書に反映することができるかが不明だ。引き揚げが9月以後まで遅れることもありうるので、海水部が特調委に対して船体調査への参加を保障するということは恩着せがましい言い訳に過ぎない」と話した。これに対して海水部は「船体整理過程でも特調委の調査活動に協力するという意向を明らかにしたまで」とし「報告書作成のための人員を通知したのは、特調委に必要な定員を知らせてほしいと要請したが返事がなく、活動終了以後の人材空白状況が憂慮されるために企画財政部、行政自治部と協議して決めた」と釈明した。

 しかし、海水部が明らかにした「引き揚げ船体整理作業手順図」によれば、船体調査はセウォル号引き揚げ後に船体洗浄、防疫、進入路確保、未収容者収容など3カ月にわたる作業の終了後にようやく可能になる。船体の引き揚げが8月になされたとしても、船体調査は今年末頃にようやく可能になり、特調委の船体調査および真相究明活動は事実上できないことになる。

 特調委は調査活動期間を来年2月初めと規定し、調査活動を継続する方針だ。特調委は「政府の調査活動強制終了通知を拒否し、来月1日以後にも現状通り調査活動を進める」と明らかにした。特調委のイ・ソクテ委員長は「特調委の人事権は私が持っている」として「派遣職公務員たちは(本来の勤務地に)復職しても、特別職公務員と調査活動を継続する」と話した。

 特調委の活動期間保障を盛り込んだセウォル号特別法改正案を提出した共に民主党のパク・ジュミン議員は「海水部が船体整理作業と船体調査を混用し、あたかも引き揚げ後の船体調査権限を認めたかのように誇張している」として「政府は今からでも真正性をもって調査に応じ、十分な調査が可能なよう協力して一点の疑惑も無いようにしなければならない」と明らかにした。

キム・ミヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/749311.html 韓国語原文入力:2016-06-22 20:37
訳J.S(1579字)

関連記事