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北東アジア4カ国の地方都市がブルーカーボンで共同研究

登録:2016-05-25 05:07 修正:2016-05-25 07:13
忠清南道の提案に中日ロが参加 
温室効果ガスを減らす干潟など本格的に研究
温室効果ガスを吸収する植生と干潟などブルーカーボン生態の世界の分布図//ハンギョレ新聞社

 北東アジアの地方政府が温室効果ガスを吸収するブルーカーボン(Blue Carbon)を共同研究する。北東アジア地域自治体連合(NEAR/North East Asia Regional Governments)は23日、日本の富山県で環境分科委員会を開き、「ブルーカーボン共同研究調査」を公式議題に採択したと、忠清南道が24日発表した。

 ブルーカーボン共同研究調査は忠清南道が提案したもので、今回の会議を主催した公益財団法人・環日本海環境協力センター(NPEC)の鈴木基之・理事長は、これを「2016富山北東アジア自治体連合環境分科委員会の合意文」に反映すると発表した。

 ブルーカーボン共同研究調査は、ブルーカーボンのリストおよび資源図の作成▽炭素を吸収する環境・経済的価値の評価▽ブルーカーボン生息地を回復する技術の開発などを主な内容にしている。これにより、北東アジア自治体連合メンバーの韓国の忠清南道・江原道・慶尚南道、中国の遼寧省、日本の富山県・石川県・福井県・新潟県、ロシアの沿海州・ハバロフスク州の4カ国の10広域地方政府・研究機関は、来年から協力して地方政府ごとにブルーカーボンの共同研究を実施する。

 ブルーカーボンは、干潟、サンゴ礁、塩生植物(塩分の多いところで育つ植物)、カナ(海藻)など沿岸に生息する植物と、堆積物を含む海洋生態系が吸収する炭素を指すもので、干潟などは地球温暖化の主な原因である温室効果ガスを相殺する機能を果たすとされる。

 韓国の干潟は、年間の温室効果ガス総排出量の約7.4%を吸収し、林業部門とほぼ同じの規模の温室効果ガスを相殺するものとして知られている。忠清南道の干潟面積は357平方キロメートルで全国の14.3%を占め、炭素相殺に多大な貢献をしているものと推定される。北東アジア自治体連合環境分科会議は、地域内の環境問題の表面化に伴い、北東アジア地域自治体の専門家が情報や知識を共有し、協力方案を議論するために毎年開かれている。

 忠清南道環境緑地局のシン・ドンホン局長は「今年10月、ロシア沿海州で開催される『国境なき自然会議』で、北東アジア地方政府のブルーカーボン共同調査の内容を報告し、これを青少年環境教育体験プログラムと連携する。今回の調査は、忠清南道の西海岸沿岸環境復元事業と沿岸干潟の活用性を高め、効率的な沿岸地域の保全・管理政策を推進する転機になるだろう」と語った。

ソン・インゴル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-05-24 20:43

https://www.hani.co.kr/arti/society/area/745313.html 訳H.J

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