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「慰安婦被害者の判断が最も重要」 国連人権高等弁務官が韓日合意に一石

登録:2016-03-12 00:54 修正:2016-03-12 06:34
ゼイド国連人権高等弁務官の年次演説 

「日本軍性奴隷 」戦争犯罪を喚起 
「被害者だけが真の補償受けたかを判断」

ゼイド・ラアド・フセイン国連人権高等弁務官//ハンギョレ新聞社

 「戦時性暴力」の問題で中心的な役割を果たしているゼイド・ラアド・フセイン国連人権高等弁務官が10日(現地時間)、韓日政府の日本軍「慰安婦」被害者の問題に関連した12・28合意に対し、一石を投じた。国連女子差別撤廃委員会(CEDAW)が7日に韓日政府の「最終的かつ不可逆的解決」の宣言を厳しく批判する「最終見解」を出してから、3日後のことだ。

 ゼイド高等弁務官は同日、スイスのジュネーブで開かれた国連人権理事会の年次演説で、慰安婦被害者を「第2次世界大戦当時、日本軍の性奴隷生存女性」と規定し、慰安婦問題が日本政府の戦争犯罪であり、国の犯罪であることを喚起させた。また「(韓日政府の12・28)の合意と関連し、様々な国連の人権組織と、何よりも生存当事者が問題を提起している」と指摘した。ゼイド代表は「関連当局者がこの勇敢で尊厳のある女性たちに寄り添っていくのが極めて重要である」とし「最終的には彼女たちだけが、真の補償を受けたかどうかを判断できる」と強調した。韓日政府間の合意があったとしても、直接の苦しい経験をした慰安婦被害者が認めない限り、この問題は解決できないことを指摘したのだ。

 ゼイド代表のこのような指摘は、ユン・ビョンセ外交部長官が2日、国連人権理事会の演説の際、3600字に及ぶスピーチで一度も慰安婦問題を取り上げなかっただけではなく、演説直後にゼイド高等弁務官に会う際にも、北朝鮮の人権問題だけを強調し、慰安婦問題は口にしなかった態度と正反対のものだ。

 先日、国連女子差別撤廃委員会が「被害者の視点からの合意が迅速に実行されることを求める」と勧告したのと、大筋一致する内容だ。女子差別撤廃委員会は「不可逆的に問題を解決したというアプローチは、犠牲者中心のアプローチを反映しないもの」だと指摘した。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-11 19:36

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/734559.html 訳H.J

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