2日間に50人余が発言台に
オンライン反対署名も20万件超える
国会議長によるテロ防止法案職権上程に反対する市民のフィリバスターが24日、国会外とオンラインで繰り広げられた。 テロ防止法制定に反対する署名も急増した。 最初は野党が始めた。 だが、時には真剣な演説、時には溌刺とした公演と応援へとつながった「市民フィリバスター」は、個人の私生活と人権を侵害しかねないテロ防止法の問題点を市民自らが理解する、新たな政治空間になっている。
「ウン・スミ議員がまだ発言しているんだって」、 「バーニー・サンダース議員みたいだね。ワー、いったい何時間になるんだ」。 24日正午、テロ防止法案阻止のためのフィリバスターに乗り出した“3番打者”、共に民主党のウン・スミ議員の発言が10時間以上続いているというニュースに、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会正門前に集まった人々が興奮した。 マイクを持ったチョン・ミン氏(39)の声に力がこもった。 「実際、すべての人が監視されるとは思いません。 でも「自分が監視されることもありえる」という可能性があるだけでも、私たちが自ら検閲することになり、創造性を失うのではないでしょうか?」
オフラインの行動は市民団体が始めた。 参与連帯と進歩ネットワークセンターは前日、共に民主党のキム・グァンジン議員が発言に突入した直後、国会外で「テロ防止法職権上程反対市民フィリバスター」の発言台を作った。 この日午後までに発言台に上がった人は50人余り。ハ・スンス緑色党共同運営委員長は、日本の反核活動家の伴英幸氏が韓国入国を拒否された事例を挙げ、国家情報院の恣意的な「テロ危険人物」選定を批判した。 彼は「テロとは全く関係のない反核活動家までをテロ危険人物と見ている状況で、国家情報院の恣意的な判断が一般市民に向かわないとどうして確信できるか」と訴えた。
午前6時、始発に乗って京畿道驪州(ヨジュ)からソウルに来たという「青少年行動・黎明」のチャン・ヒド氏(19)は「国民の安全という名目で私生活を暴きだすことができるという発想が理解できない。 国民の安全を強調するなら、私生活を守る政府になることを願う」と話した。 1人バンド「ハヌルソニョン」は「フィリバスターに参加した市民と“フィリバスキング”(無制限公演)で連帯する」と話し、歌を歌った。 小さなアンプを通して伝えられる市民の話は、自動車の騒音と保守団体の「テロ防止法要求」記者会見の音に時々かき消されることもあったが、発言と歌、記事朗読などは絶えることなく続いた。 発言に立てなかった市民たちも食べ物やホットパックなどを手渡し、発言者を激励した。
この日開設された市民フィリバスターのホームページ(filibuster.me/)には、午後までに1万件を超えるテロ防止法反対意見が上がってきた。 ネチズンたちは「テロ防止法でなく国民監視法と言ってください」 「テロ防止は必要だがテロ防止“法”は必要ない」などの文を載せた。
参与連帯は「今月22日から市民団体が始めた『国家情報院権限強化テロ防止法制定反対緊急署名運動』のオンライン署名件数も、野党のフィリバスター以後に急増し、今日午後までに20万件を突破した」と明らかにした。 パク・クンヨン参与連帯事務局長は「テロ防止法と国家情報院の問題点に共感するのはもちろん、これまで市民と野党の反対意見が全く反映されていない状況でフィリバスターという方法が民意に対する尊重を含むと考え参加する市民が多くなったと思う」と話した。
23日午後7時6分、共に民主党のキム・グァンジン議員から始まった野党のフィリバスターリレーは、24日に24時間を軽く超えた。 国民の党のムン・ビョンホ議員、共に民主党のウン・スミ議員、正義党のパク・ウォンソク議員が引き継いでいる。