本文に移動

テロ防止法に抵抗する韓国野党3党 フィリバスターで徹夜リレー 

登録:2016-02-25 02:48 修正:2016-02-25 06:51
スニーカー履いて唇濡らし、檀上でストレッチ  
共に民主党のウン・スミ議員が24日午前、国会本会議場でテロ防止法の本会議議決を防ぐための無制限討論を9時間以上続けストレッチをしている//ハンギョレ新聞社

 テロ防止法の本会議処理に反対するための野党3党のフィリバスター(長時間演説による議事妨害)は24日も中断されることなく続いた。スーツ姿で革靴の代わりにスニーカーを履き壇上にあがった議員たちは、トイレに行かないために、喉が渇いても唇を水でぬらすだけだった。彼らは低くゆっくりとした口調で、本会議に職権上程されたテロ防止法の問題点を細かく指摘した。セヌリ党は、本会議場の内外で野党のフィリバスターを「テロ防止法に対するテロ行為」と批判し、世論戦を繰り広げた。

 この日の0時39分、「共に民主党」のキム・グァンジン議員が「傾聴していただき、ありがとうございます」という言葉を最後に、5時間33分間の発言を終えて壇上から降りると、同党の約30人の議員たちが拍手を送った。夕食も取れず発言し続けたキム議員は、バナナ1本を食べてトイレに向かった。

 マイクを渡された「国民の党」のムン・ビョンホ議員は、午前2時29分まで1時間49分間発言を続けた。ムン議員は「セヌリ党は、国家情報院を擁護するだけで、共に民主党は反対ばかりする。内容を見ると、いくらでも与野党が修正して合意することができる。職権上程に至ったのは、巨大な与野党が喧嘩ばかりしているのが大きな原因だ」として、与野党を共に批判した。

キム・グァンジン議員5時間33分間の発言を皮切りに 
ムン・ビョンホ、ウン・スミ議員が演説続ける 
パク・ウォンソク議員は本を5冊持って壇上に上がり 
セヌリ党は緊急当番組を投入 
声荒げ指差して妨害 
「息止め競争でもするのか」暴言も

 午前2時30分頃に発言を始めた共に民主党のウン・スミ議員は、発言する間、足と腰を曲げるなどストレッチを続けながらも、10時間18分も檀上を守った。1969年8月新民党のパク・ハンサン議員が3選改憲阻止のために、国会法制司法委員会で行った10時間15分のフィリバスター発言記録を塗り替えた瞬間だった。彼女は「私がこの壇上にいる限り逮捕できない」と題した故金大中(キムデジュン)元大統領のフィリバスター発言資料はもちろん、国家情報院の不法ハッキング疑惑事件、国家情報院の大統領選挙介入事件資料、フランシスコローマ教皇のテロ関連のスピーチなどを読みあげた。「テロ防止法が求めているのは国民に対するテロではないでしょうか?」など、SNSに載せられる市民のコメントを伝えた。

 青いスニーカーを履いた正義党のパク・ウォンソク議員は、午後12時49分に『スパイの誕生』、『ねつ造された恐怖』『米国を揺るがした判決31』などのテロと国家情報機関を取り上げた本5冊を持って壇上に上がった。彼は「問題の核心は、依然として国家情報院だ。国家情報院の根本的な改革なしに国家情報院に絶対的な権限を与えるテロ防止法は、猫に魚を預けるようなものだ」とテロ防止法の問題点を指摘した。

 「フィリバスター長期戦」を予想したセヌリ党は、本会議採決を放棄し、本会議場から撤退した。1期、2期の議員らを中心に4人ずつで組織された「緊急当番組」だけが3時間ごとに交代で本会議場に残っていたが、頻繁に野党議員の発言を制止し、妨害する場面もあった。この日の午前11時26分にウン・スミ議員が「テロ防止法には関心を持っているのに、実際暴力にさらされている市民のためには、なぜ何も措置を取らないのか」と延べ、ユソン企業で起きた暴力鎮圧事態に言及した時には、セヌリ党のキム・ヨンナム院内報道官が「議長、案件と全く関係ない話じゃないですか」と声を張り上げた。キム院内報道官は「そんなことしたからって(ウン議員が)公認を受けるとは限りませんよ」と叫んだ。これに対しウン議員は、「同僚議員に対する名誉毀損」だとして謝罪を求めた。

 チョ・ウォンジン院内首席副代表は、午後7時30分頃、自分の席から立ち上がり、国家情報院の大統領選挙介入事件について言及するパク・ウォンソク議員を指差しながら、「それがテロ防止法と何の関係があるのか」と大声で叫び、イ・ソクヒョン副議長の制止を受けた。

 セヌリ党の院内指導部は本会議場外で慌ただしく動き回った。ウォン・ユチョル院内代表は午後、鄭義和(チョンウィファ)国会議長に会った後に院内代表団と 国会情報委員連席会議を開き、今後の対策を協議した。会議では「BSE問題が起きた当時を思い出す。起こり得ないことを宣伝し、扇動するのが見ていると、なぜか苦々しい」(チョ・ウォンジン院内首席副代表)、「国会は息止め競争をして遊ぶようなところなのか」(キム・ヨンナム院内報道官)、「テロ防止法に対するテロ行為だ」(イ・チョルウ国会情報委員会の与党幹事)などと露骨な非難が相次いだ。

 鄭義和議長とチョン・カプユン(セヌリ党)、イ・ソクヒョン(共に民主党)副議長の議長団3人は、フィリバスターが始まった23日の夕方から勤務表を作成し、1時間半〜2時間ずつ順番に国会本会議場議長席を守った。

イ・スンジュン、ソ・ボミ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-02-24 19:27

https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/731941.html 訳H.J

関連記事