大邱のユ・スンミン「敷地言及は不適切」
漆谷のイ・ワンヨン「住民の反対を考慮」
海雲台のハ・テギョン「釜山の可能性はない」
サード(<THAAD>高高度防衛ミサイル)配備に向けた政府の交渉がセヌリ党の側面支援で急進展する中、THAADレーダー・砲台の候補地として名が挙がる地域の政治家たちの複雑な本音が露呈している。マスコミに取り沙汰される候補地域が、偶然にもTHAAD配備に賛成する与党議員の地域区と重なることが多いためだ。
強力な電磁波を放つTHAADレーダーの特性上、米軍の技術的評価が敷地の選択に大きく作用し、まずは既存の在韓米軍基地がある地域を中心に可能性が見込まれている。敷地の追加確保と経費・防衛などに有利だからだ。
セヌリ党の票田となる大邱(テグ)・慶尚北道(TK)地域は、北朝鮮の放射砲の射程距離から外れるが、移転推進中の大邱空軍基地(K2)と、既存の米軍基地(慶北漆谷倭館の「キャンプ・キャロル」)があり、候補地の一つに挙げられる。空軍基地は、国会国防委員としてTHAAD配備を強く主張してきたユ・スンミン議員の地方区(東乙)にある。ユ議員は10日、国会で圧倒的賛成で採択された北朝鮮ミサイル発射糾弾決議案についても「状況の厳しさに比べレベルが低い」と棄権票を出すほどの“安保保守”を自任してきた。しかし、ユ議員からは11日、「THAADの敷地が決定されていない状況で先に言及するのは適切ではない」と言葉を控えた。
慶尚北道漆谷が地域区のセヌリ党のイ・ワンヨン議員(高霊・星州・漆谷)は、「キャンプ・キャロルは規模が小さくTHAAD配備の可能性はない。国家安保のレベルでTHAADが必要なら賛成するが、住民たちが強力に反対する場合、全面的に住民の意思が考慮されねばならない」とした。
京畿道平沢(ピョンテク)の在韓米軍基地も有力候補地だ。核武装論まで持ち出した同党のウォン・ユチョル院内代表の選挙区(平沢甲)と隣接している。京畿道地域のあるセヌリ党議員は「国家が必要ならTHAADを配備しなければならない」と語る一方で、「平沢の場合、すでに都市化が進んでTHAADの敷地を見いだせない。社会的対立費用を突き詰めると、戦略的利益より損害が大きい」とした。地域ではレーダーの電子波がサムスン半導体工場と烏山(オサン)空軍基地航空機に影響を与えかねないという「平沢不可論」が早くから出されていた。
釜山の機張(キジャン)も昨年から候補地に挙げられてきた。釜山は金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表の票田だ。同党のハ・テギョン議員(海雲台機張乙)は「釜山はすでに米軍基地が返還されたため可能性がない」としながら、「THAADの最終敷地が決まった後は、どこであれ地域住民の説得過程が必要だろう」とした。
国会情報委員長の同党のチュ・ホヨン議員(大邱寿城乙)は「在韓米軍の防衛という側面において、既存の米軍基地に配備されることが望ましい。しかしレーダーの電磁波問題などを考慮すると、すでに都市化されているので容易ではない気がする」とした。
韓国語原文入力:2016-02-11 22:19