本文に移動

韓国政府の「過酷な代償」とは開城工業団地の閉鎖か

登録:2016-02-04 23:30 修正:2016-02-05 07:06
政府が開城工団の南側人員を制限するなど対北朝鮮措置を発表した1月11日、同工団から戻ってきた車両が京畿道坡州の統一大橋南端を通っている=坡州/キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

被害は北朝鮮側より韓国企業の方がより深刻
政府当局者 「可能性は排除できない」

 北朝鮮のロケット発射予告直後、政府の最初の反応は「過酷な代償」の警告だった。黄教安(ファンギョアン)首相とチョ・テヨン大統領府国家安全保障会議(NSC)事務局長(国家安保室1次長)、チョン・ジュンヒ統一部報道官、チョ・ジュンヒョク外交部報道官などの一貫した表現だ。

 「過酷な代償」とは何を意味するだろうか? 「対北朝鮮拡声器放送の再開」カードは、すでに切った。核実験直後、開城(ケソン)工業地区の滞在人員を最小限に制限したが、(その際も)「国民身辺安全措置」を名分に掲げたものの、「制裁」とは言わなかった。南北交易は5・24対北朝鮮制裁措置で中断されてから7年目を迎える。政府が「過酷な代償」の前に「国際社会から」という修飾語を付けたのも、そのためだ。

 大統領府と政府一角では「開城工業団地からの完全撤退」を完全には排除しない雰囲気だ。朴槿恵(パククネ)大統領は年頭記者会見で、「(開城工業団地関連で)他の追加措置を行う必要があるかどうかは、北朝鮮にかかっている」と述べた。北朝鮮のロケット発射予告直後の3日、チョン・ジュンヒ統一部報道官は「(開城工業団地からの撤収などと関連し)具体的な詳細を述べること自体が、まるで交渉カードを見せるようなもの」だとして、言及を避けた。 「開城工業団地は制裁手段ではない」という従来の態度とはニュアンスが異なる。

 朴大統領の発言は、自縄自縛になり兼ねない。北朝鮮がロケットを発射すれば、「開城工業団地に対する追加措置」が行われるという意味で受け止められる可能性があるからだ。しかし、開城工業団地の閉鎖は、制裁の効果が大きくない。北朝鮮の開城工業団地関連の年間売上高は8000万〜1億ドルと推定されるが、中央政府に入るのはそのうち30%ほどとされている。朝中貿易規模が63億ドルであることから、開城工業団地の閉鎖が北朝鮮に与える経済的打撃は、決定的とは言い難いレベルだ。

 一方、韓国企業が被ると予想される被害は、かなり深刻なものだ。昨年1〜11月、開城工団入居企業の総生産額は5億1549万ドルだった。政府当局者は「国連安保理の制裁に開城工業団地が含まれる可能性は排除できない」と述べた。政府が直接(開城工業団地の撤退に)踏み切るのは難しくても、国際制裁の対象になったら、(撤退は)避けられないという意味だ。

キム・ジンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-02-04 19:09

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/729381.html 訳H.J

関連記事