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[ニュース分析]朴槿恵大統領の“意趣返し”5パターン

登録:2016-02-03 00:29 修正:2016-02-03 08:28
共に民主党のキム・ジョンイン非常対策委員長が朴槿恵大統領の誕生日を祝うため2日に大統領府に贈った祝賀蘭を大統領府が断った。 国会内の共に民主党公報室に蘭が置かれている =国会写真記者団//ハンギョレ新聞社

 共に民主党のキム・ジョンイン非常対策委員長が2日、64歳の誕生日を迎えた朴槿恵(パククネ)大統領に祝いの蘭を贈ろうとしたが拒絶された。 これが問題になると、午後になって大統領府は「合意した法案さえ処理されていない状況で、お祝いの蘭を受け取るのは適切でないと判断し、政務首席が丁重にお断りするという意を伝えた。朴大統領が後から報告を受け強く叱責したと聞いた」として蘭を受け取った。政務首席が判断を誤ったためなのか、自身を助ける立場から第一野党の代表に変身したキム委員長に向けた朴大統領の“怒り”のためなのか、真実は誰にも分からない。 しかし、世間が後者に重きを置くのは朴大統領の“意趣”の前例が多いためだ。

1. 葬儀に花輪を供えない

セヌリ党ソ・チョンウォン議員(左)が大邱市中区の慶北大病院葬儀場に用意されたユ・スホ元国会議員の葬儀室を訪ね弔問した後、ユ・スンミン議員を慰めている=連合ニュース

 昨年11月8日から三日間、ユ・スンミン元セヌリ党院内代表の父親の葬儀があった。朴大統領はついに謹弔の花輪を送らなかった。 当時大統領府は「当事者が遠慮する場合に花輪を送る慣例がない」と説明した。 果たしてそうだろうか? 5月、当時首相候補者だったファン・ギョアンは娘を結婚させる際に「花輪を受け取らない」と明らかにしたが朴大統領は送った。

 ユ元院内代表の父親の葬儀には大統領府からは誰も行かなかった。 ユ議員は2007年の大統領選挙競選で当時の朴槿恵元代表キャンプの核心参謀として共に活動し接触が多かったイ・ビョンギ大統領秘書室長に連絡したが、イ秘書室長もついに姿を見せなかった。 ユ議員とほぼ同じ時期に米国のウィスコンシン大で博士学位の勉強をして親しくなったアン・ジョンボム大統領府経済首席の場合には妻を代わりに送った。 ユ議員と近い要人は「彼らも内心は駆け付けたかったが、大統領の顔色を見ないわけにいかなかったのだろう」と話した。 大統領府は2014年11月、朴槿恵キャンプで主要な役割を果したイ・サンドン元中央大教授の母親の葬儀の時も朴大統領の弔花を送らなかった。 イ元教授は大統領選挙以後の公約破棄などを指摘して朴大統領を強く批判してきた。

2. 食事の席に呼ばない

朴槿恵大統領が2日午前、大統領府本館接見室で「中堅5カ国協議体(MIKTA)国会議長団」会議のために来韓したメキシコ、インドネシア、オーストラリアの上院議長の入場を待っている =大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 昨年7月2日、朴大統領は大統領府で「中堅5カ国協議体」(MIKTA)国会議長に面会した。 ところがこの席に「中堅国家協議体」の主催者であるチョン・ウイファ国会議長は呼ばなかった。 当初朴大統領はMIKTA国会議長団を大統領府に招請し、チョン議長が参加する昼食懇談会を開くことにしていたが、面会形式に行事を“縮小”した。 チョン議長も呼ばなかった。 国会議長室のある要人は、大統領府がチョン議長を招請しなかったことに対して「私たちが言える言葉はノー コメント」としつつも「考えれば分かるだろう」と不快な感情を隠さなかった。

 これより1カ月程前の時点に朴槿恵大統領は国会と一戦交えていた。 法律に反する施行令を政府に修正要求する国会法改正案が通過すると、朴大統領が拒否権を行使した。 この過程でチョン議長は国会法仲裁案を提示し朴大統領の“怒り”を買ったと言われる。

3. 目を合わせない

光州ユニバーシアードの主競技場で開かれた2015光州夏季ユニバーシアード大会開幕式に朴槿恵大統領が参加して挨拶している =大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵大統領は昨年7月3日に開かれた光州ユニバーシアード開幕式で、金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表に目もくれなかった。 貴賓席に並んで座った主要人物の中で金代表とは最後まで握手すらしなかった。 これについて金代表は「私たちは目も合わせないね…」と周辺に話したという。 チョン・ウイファ国会議長とも同じだった。 チョン議長が近付いて「近い内に一度お訪ねしたい」と要請したが、朴大統領は何も答えなかったという。 金武星代表も初めは行政立法に対する国会の是正要求権を強化した国会法改正案に反対する大統領府の声を一蹴して、ユ・スンミン当時院内代表と意を共にした。

4. 遠くに座らせる

朴槿恵大統領が大統領府で開かれたセヌリ党国会議員との昼食会で金武星代表最高委員の挨拶を聞いている =大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 昨年8月26日、朴大統領はセヌリ党議員全員を大統領府に招請し、昼食懇談会を開いた。 この日の昼食会は始終一貫和気あいあいとした雰囲気で行われた。 関心を集めたのは席の配置だった。 朴大統領と金武星代表が座る円卓には、最高委員など党の指導部が座り、その横に常任委員長を務める議員と党職議員が位置した。 残りの議員は常任委員会別にテーブルに振り分けられた。 ところで国防委員会は昼食会場の最後方に位置した。 ユ・スンミン議員は国防委の所属だった。 「国会法改正」波紋の主役であるユ議員は、強制されて院内代表の席を退かなければならなかったし、朴大統領は彼を「背信の政治家」と烙印した。

5. 忘れない

朴槿恵大統領とセヌリ党の金武星代表、ウォン・ユチョル院内代表、新政治民主連合の文在寅代表、イ・ジョンゴル院内代表が大統領府で会合をしている =大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 昨年10月22日、朴大統領は大統領府で新政治民主連合の文在寅(ムンジェイン)代表とイ・ジョンゴル院内代表をセヌリ党の金武星代表とウォン・ユチョル院内代表と一緒に会った。 この席で朴大統領は、イ院内代表に「さっき顔を見たら印象も良く、話も上手いのに、以前私に『あの女、この女』呼ばわりされたじゃないですか。でも今日のようにきちんと話せば人気も上がり、もっとうまくいくでしょうに…。 人柄も明るくて…、なぜあの時はこの女、あの女なんて言ったのですか? 私は驚いちゃいましたよ」と話した。 もちろん真顔で言った話ではない。 イ院内代表は「いやぁ、その時は…、申し訳ありませんでした。謝ります」と答えたという。

 朴大統領が会合の終わりに持ち出したイ院内代表の「あの女」発言は、2012年8月にイ院内代表がツイッターに上げた文の内容。 当時、イ院内代表はセヌリ党内で火が点いた「公認献金」問題に関して自身のツイッターに「彼らの主人は朴槿恵議員なのに、あの女は鋭い刃物を振りかざして謝罪もしないでいいかげんだ…」と書いた。イ院内代表は当時、暴言論議に火が点くと、初めは「彼女は」の略語だと言ったが、後で小さなアイフォンを使ったためにタイプミスをしたと言葉を変え、「本意でない表現が悪口に聞こえ、不快に思われた方がいらっしゃれば申し訳ない」と謝った。 朴大統領はそのことを忘れずにいて、3年2カ月目にして顔を合わせた席で謝罪を受け取ったわけだ。

朴槿恵大統領とセヌリ党の金武星代表、ウォン・ユチョル院内代表、新政治民主連合の文在寅代表、イ・ジョンゴル院内代表が大統領府で会合している =大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

キム・ウォンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/polibar/728976.html 韓国語原文入力:2016-02-02 18:36
訳J.S(3263字)

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