財界主導の「経済立法を促す署名」に参加
野党「大統領の本分忘れた」遺憾表明
黄教安首相も19日にオンライン署名
朴槿恵(パククネ)大統領が18日、大韓商工会議所など経済関連団体が主導する「経済の活性化立法を促す1千万人署名運動」に参加した。大統領が立法関連の署名運動に参加したのは今回が初めだ。昨年末から連日国会を批判し、圧迫してきた延長線上で、国会と野党を狙った動きと見られている。行政首班の大統領が国会の争点法案処理を圧迫するため、国会を説得するのではなく、経済界の利益団体の署名運動に参加したという点で、不適切な行動という批判の声が上がっている。朴大統領は就任後、野党代表と一度だけ単独で会うなど、野党を説得しようとする努力が不十分だという評価を受けてきた。黄教安(ファンギョアン)首相も19日午前、この署名運動にオンラインで参加する予定だ。
朴大統領は同日午前、京畿道城南(ソンナム)のチャバイオコンプレックスで開かれた未来創造科学部や文化体育観光部など7つの省庁、政府合同業務報告で署名運動に言及し 「事情がどんなに切迫していれば、国民がそういう風に乗り出すだろうか。これは国会がその役割を適切に果たせなかったため、国民が立ち上がって正そうとするのではないかと考えている」と述べた。朴大統領は業務報告を終えた後、板橋(パンギョ)駅広場に移動して「立法を促す」名簿に署名した。朴大統領はこの場で「どんなに苦労され署名運動まで行うのでしょうか」と署名運動関係者に労いの言葉をかけた後、「私も労働改革法と経済活性化法を通過させてもらいたいと頼んでも、聴いてもらえず、疲れが重なったが、当事者である皆さんはどのような心境なのか、お察しします」と話した。続いて「力を貸したい一心で参加したが、国民と経済人の皆さんの思いがしっかり伝わることを願う」と付け加えた。
「経済の活性化立法を促す1千万人署名運動」には、大韓商工会議所、全国経済人連合会、中小企業中央会など38の経済団体が参加している。これらの団体は、今月13日、朴大統領の対国民談話後に「経済再生」立法を促す対国民要請文を発表したのに続き、同日は「署名運動本部」を発足させ、本格的な署名運動に突入した。大韓老人会と正しい社会市民会議などの保守団体も参加の意思を明らかにしたと伝えられた。チョン・ヨングク大統領府報道官は、書面ブリーフィングで、「大統領も国民の一人として、経済活性化法、労働改革法、テロ防止法など民生法案の速やかな国会処理を再度要求するため、訪問署名が行われた」と説明した。朴大統領が今月13日、対国民談話で法案処理を求め、「国民が立ち上がってほしい」と訴えたことの延長線にあるものと見られる。
しかし、労働市場構造改革法案は「簡単な解雇」など、労働者の雇用不安への懸念で、国会で議論になっており、サービス産業発展基本法など、いわゆる「経済活性化法」も質の低い仕事を量産するとして、与野党が対立している。
野党は「大統領としての地位と本分を忘れた誤った判断」と遺憾を示した。「共に民主党」のト・ゾンファン報道官は、「大統領の署名運動への参加は、ただ国民一人としての署名と受け止められないことから、明らかに国会への圧力」と「大統領が、国会を説得して出口のない政局を解決していく時間はなくても、国会を圧迫するために突拍子もない署名運動に参加する時間はあるのか、嘆かわしい」と批判した。ユン・ピョンジュン韓神大学教授は「大統領の“切実な”思いは分らなくもないが、法案をめぐり意見が分かれる状況で、片方の国民署名運動にまで参加するのは、適切ではないと思われる」と述べた。
チェ・ヒェジョン、ソン・ギョンファ、キム・ジンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2016-01-18 20:39