登録 : 2015.11.09 03:09 修正 : 2015.11.09 20:53

納得できない疑問点を整理して記録を残す

セウォル号引き揚げと事故原因の真相究明を求めてセウォル号犠牲者の家族や市民がソウル光化門広場で座り込みを行ってから1年を迎えた今年7月14日午後、遺族とボランティアが雨を凌ぐ準備をしている=イ・ジョングン記者//ハンギョレ新聞社
 「彭木(ペンモク)港で収拾された子供の遺体の棺に名前を直接書かされたじゃないか。その時、震える手で子供の名前を書いたことは、一生忘れられないと思う。こういうことも調査に申請できるのかな?」(セウォル号犠牲者、チャン・ジュンヒョン君の父親チャン・フン氏)

 「私もそうだった。子供たちを間違えないようにするための措置だったとは思うが、あの時の衝撃は一生残るだろう。家族のトラウマを軽減させるための、より良い方法を探そうという意味もあるから、とりあえず書いてみようと思う」(セウォル号犠牲者、イ・ジェウク君の母親ホン・ヨンミ氏)

 今月5日、セウォル号遺族や生存者家族11人が京畿道・安山の花郎遊園地にあるセウォル号犠牲者政府合同焼香所の隣にある「真相究明船体引き揚げタスクフォース(TF)分科資料室」に集まった。 「4・16セウォル号特別調査委員会」(特調委)に調査を申請する内容をまとめるためだ。家族はこの日も事故当時の痛ましい記憶を一つずつ思い出しながら、調査を求める内容を整理していった。一つの疑惑も洩らさないように、セウォル号事故当時を時間帯を設けて時間を区切り、当時行われた事件別に疑問点を整理する方法をとった。9月14日、特調委が被害者の家族からの調査の申請を受け始めてから、毎週木曜日に見られる風景だ。 4・16家族協議会の真相究明分課長を務めているチャン・フン氏(46)は、「事故以降、何万回もそれを思い起こしていた親たちは、誰でも半分は専門家になっており、いくらでも問題点を書ける」と話した。

8月になって予算配分 
職権調査はまだ一度もできず 
遺族たちが納得できない疑問点をまとめ 
9月から48件の申請事件を受け付け 
「特調委が調査するか疑問だが 
これだけは残してもらおうと申請」

 「4・16セウォル号惨事の真相究明と安全社会の建設などのための特別法」(セウォル号特別法)が国会本会議を通過して特調委が発足してから、今月7日でちょうど1年が過ぎた。早急な真相究明を求める被害者家族の心情とは異なり、特調委の活動はまだスタートライン辺りに留まっている。特別法施行令の法律違反をめぐる議論と与野党・家族推薦委員の間の内部対立などで活動が遅れ、特調委に職員たちが出勤し始めたのは、特別法が可決されてから9カ月後の7月末からだった。特調委に予算が割り当てられたのも3カ月前の8月であり、9月になって事件調査の申請受付が始まった。

 セウォル号事故の原因を究明するための最初の段階である調査は、特調査委の「職権事件の調査」と被害者が申請できる「申請事件調査」で成り立つ。特調委はこれまで一度の職権調査もできなかった。 「(特調委の活動の)開始が遅すぎて、準備が足りなかった」というのが特調委側の話だ。ようやく基礎資料の収集段階に入ったばかりの事件(48件)は、すべて被害者家族により申請された事件だ。セウォル号犠牲者パク・ソンホ君の母親のチョン・ヒェスク氏(47)は、「職権調査を行わなければならない特調委は、いまだにちゃんとした調査を一度もやっていない。今のところ信じられるところが特調委だけなので、私たちも特調委に申請事件を受け付けてもらうことに力を注ぐしかない」と残念がった。

 特調委が手を拱いている間、被害者家族たちは「セウォル号沈没と傾き始めた時点に関する調査」と「急変針が沈没の原因になるのか」など、沈没原因を究明するための調査と、「最初に出動した海軍の対応」と「海警123艇の初動対処」など、救助過程で現れた問題点を明らかにする調査が必要であると直接要求した。また、「旅客船安全基準などの緩和の理由」「船員法改正の理由」など、基本的な安全規制の緩和を指摘するものもある。チャン氏は「率直に言って特調委が私たちが望む調査をすべてできるかどうかは分からない。しかし、私たちが何を知りたかったのか、それだけは残すべきだという気持ちで申請している」と語る。

 被害者の家族は、同日の会議で「安山に子供の遺体が到着してから葬儀までの過程」で経験した不当な出来事と疑問をまとめた。しっかりとした案内や基準のない葬儀の手続き、不足していた葬儀場、間違って作られた骨壷、何もできない状況で連絡が届かなかった公務員など、修羅場のような当時の状況が、家族の口から再現された。ホン・ヨンミ氏(47)は、「一体どうしたらこんなことまで起きるのか理解できない。特調委がこうした内容を見たら、信じられないほど驚くだろう」と述べた。同日の約2時間30分にわたる会議の後、会議室のホワイトボードは、20個以上の調査の申請内容でいっぱいになっていた。家族はこの日出された申請内容をまとめて9日か10日頃、特調委に調査申請を行う予定だ。調査の申請は、来年3月まで続く。特調委関係者は、「もし政府の主張通り、来年6月までに特調委の活動期限が定められた場合、後半に申請された件はきちんと調査できない可能性も高い」と述べた。

パン・ジュンホ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-11-08 19:48

http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/716483.html訳H.J

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