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セウォル号遺族にも国定教科書を憂慮する声…「惨事の記憶さえ消されていく」

登録:2015-10-27 23:00 修正:2015-10-30 20:41
韓国史教科書国定化阻止ネットワークが27日午前、ソウル鍾路区大学路興士団で開いた「韓国史国定化阻止のための非常時局」の記者会見で、参加者たちが国定化に反対するプラカードを手に持っている=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞

 

光化門広場に戻った遺族たち 
「国による記憶統制は容認できない 
このままだとセウォル号がどう記憶されるか分からない」 
非公開TF事務室前に立った歴史家たち 
「一つの歴史を強要するのは憲法の価値を毀損する」 
亜州大教授たち「国際基準に反する」

 「セウォル号事故初期から政府とマスコミは真実を覆い隠し、いまだに真実は明らかになっていません。全国民がこころを痛めたが、セウォル号は徐々に記憶から遠ざかっています。セウォル号の惨事で(明らかになった)政府の無能な歴史、遺族が踏みにじられた歴史が国定教科書を通じて真実として記憶されるかもしれません」

 セウォル号事故で息子のパク・ソンホ君を失ったジョン・ヒェスク氏(47)は、「真実」と「記憶」という二つの言葉を心に刻んで生きている。この二つの言葉は、チョン氏が歴史教科書国定化に反対の声をあげている理由でもある。

 27日、チョン氏はセウォル遺族と市民団体が集まって結成した「4月16日の約束国民連帯」(4・16連帯)のメンバーたちと共に、ソウル光化門広場に立っていた。チョン氏が発言する間、周りにいた保守団体の会員たちが「アカども」「セウォル号の話はもうやめろ」と叫んでいた。「見てください。今でもこうじゃないですか」。チョン氏が力なく語った。

 チョン氏と4・16連帯は同日、「(国定教科書を通じた)国による記憶統制を容認できない」と声を高めた。短い立場表明だったが、「歪曲された真実により、記憶が忘れ去られていることを身をもって経験している」という遺族の声は切実だった。故イ・ジェウク君の母ホン・ヨウンミ氏(47)は、「私たちの記憶、歴史を一つひとつ作っていきながら、多くのことを考えさせられた。過去には、強い者が歴史を左右できたが、今では意識のある市民が強い者だと思う。国が歴史を左右することはできない」と話した。

 イ・テホ4・16連帯運営委員は、「国定教科書を作って国民の記憶と過去の解釈をコントロールしようとするのは、セウォル号の惨事を忘れず、憶えていようと心に決めたすべての人たちが抵抗しなければならないことだと思い、この場に集まった」とし「多様な(歴史)解釈を“従北”と決めつけるなら、後日セウォル号の惨事がどう記憶されるか、気が重くなる」と述べた。

 ペク・ギワン統一問題研究所長とイム・ホンヨン民族問題研究所長、ハン・ホング聖公会大学教授など各界の著名人約30人は「憲法的価値」を守るべきだとして、同日、国定化に反対する声をあげた。彼らは歴史教科書国定化の転換作業のための政府の「秘密組織」と疑われている非公開タスクフォース(TF)の事務室があるソウル鍾路(チョンノ)区大学路(テハンノ)の国立国際教育院の前で開かれた緊急時局記者会見で、「1つの解釈だけを強要する国定教科書は、教育の自主性、専門性、政治的中立性という憲法的価値を否定する歴史本になり兼ねない」と指摘した。ハン教授は特に 「(歴史教科書)国定化で国のアイデンティティを強化するというが、結果的に大韓民国の国家アイデンティティが最も多く盛り込まれている制憲憲法の精神を毀損する」と指摘した。

 この日も歴史教科書国定化に反対する声明が相次いだ。亜洲大学教授148人は同日声明を発表し、「朴槿恵(パク・クネ)政権の韓国史教科書国定化推進作業が韓国社会に激しい対立と分裂をもたらしている」とし「経済開発協力機構(ОECD)加盟国の絶対多数が採用していない教科書国定制に走るのは、他の部門で政府が強調してやまない、グローバルスタンダードに大きく反するもの」と指摘した。参与連帯も「国連人権理事会の理事国を目指す韓国政府が、歴史の解釈を国が独占してはならないし、多様な歴史教科書の発行を保障しなければならない、という国際的な基準と国連の勧告を無視している」と指摘する声明を発表した。

 同日午後6時から光化門広場では、野党議員や文化芸術家、市民が集まり「国定化ではなく、国政を頼む!」をテーマに文化フェスティバルを開催し、公演などを通じて歴史教科書国定化に対する反対運動を続けた。

パン・ジュンホ、ぺク・スジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力::2015-10-27 19:55

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/714743.html 訳H.J

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