韓国史教科書国定化問題が続く中、セヌリ党が“極右の本性”を露わにしている。 国定化の名分として「バランスが取れた教科書」を掲げているが、現在の検定教科書を「毒劇物」に例え、歴史学者を「無知だ」と貶すなど、セヌリ党の「好み通りの教科書」を作ろうとする意図を露骨に示した。
セヌリ党は22日朝、国会議員会館で「正しい歴史教育を元老に聞く」という主題で懇談会を設けた。 最初の講師として立った保守指向の政治社会学者ソン・ボク延世大名誉教授(78)は、現行教科書を「毒劇物」に例える極言を吐き出した。 ソン教授は「全体的に現在の教科書は反大韓民国、親北朝鮮的だ」と主張して「学校ではこのような商品(現行教科書)は毒劇物に他ならない。 生徒たちには拒否する権利もなく力もない。受け入れて飲まなければならない。 (現行の歴史教育は)生徒たちの脳に毒劇物を植え付けている」と話した。 ソン教授はさらに「歴史学者らは無知でダメだ」として「執筆陣が10人いれば、歴史学者は2人だけにしろ。(2人についても)1人は韓国史学者、1人は世界史か東洋史(学者を入れなければならない)」と話した。
だが、ソン教授自身も国定化が完全な代案にはならないということを認めた。彼は「教科書も政府が主導する国定化より民間主導の検認定制の方が多様性を期することができるが、検認定にしたところ結果的に多様性が破壊された」として「国定化は良い方法ではないが、悪さが少ない方法だ。 国定化で4~5年か10年くらいやってみて、検認定に戻ってみよう」と話した。
続いて講演をしたパク・セイル・ソウル大名誉教授(67)は、教科書の国定化以後もセヌリ党が長期的に国民の歴史観を変える先頭に立たなければならないと強調した。 パク教授は「今、大韓民国は左翼偏向の歴史病に罹っている。 韓国社会に浸透した活動家中心の歴史観を変えなければならない」と話した。 彼は「以前、文益煥(ムン・イクファン)牧師が北朝鮮の長所と韓国の長所を集めて統一を成し遂げようと言ったが、そんな社会はない。 北朝鮮と韓国の間に中間はない」と話した。 北朝鮮の歴史と体制を客観的に教えることも容認できないという趣旨と見られる。
セヌリ党指導部もバランス感覚を喪失したこのような極端な意見に呼応した。 講演後、金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表は「代表的知性が我々の進むべき道を明確に整理してくれた」と称賛した。 午後にはソウル駅前で枯葉剤戦友会の主催で開かれた「左翼偏向歴史教科書是正国民大会」に参加し、現行教科書を「売国的教科書」と烙印した後、「この歴史戦争で必ず勝利しよう」と戦意を新たにした。同党のウォン・ユチョル院内代表はこの日午前、記者団に「執筆陣に歴史学者だけがいるのではなく、政治史、経済史、文化芸術史、社会経済史など多方面の専門家が必要だ」として、ソン・ボク教授と同じ主張を展開した。