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韓国史教科書国定化の「赤狩り」攻勢に執筆教授たちから批判続出

登録:2015-10-22 22:39 修正:2015-10-23 08:04
「日本の歴史歪曲に対抗したのに、左翼偏向の執筆者?」 
「政府は国民を分裂させる言動を中断せよ」 
「国定化では創意的な人材を育てられない」
韓国教育部が2013年に下した修正命令を受けた金星出版社、未来N、天才教育、志学社、斗山東亜、飛翔教育が出した高等学校韓国史教科書6種=世宗/連合ニュース

 「大韓民国に左翼偏向の教科書執筆者はいません。私たちの中には、これまで日本の歴史歪曲と中国の東北工程に先頭に立って対抗してきた学者たちが多い。左寄りという主張は、政府与党の赤狩り攻勢に過ぎません」

 検・認定歴史教科書執筆教授たちが一堂に会し、政府の国定教科書推進を批判した。 22日、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会で新政治民主連合の主催で開かれた懇談会「韓国史教科書の代表執筆陣に聞く」で歴史学界の教授たちは、政府に対し「国民を分裂させる言動を中断すること」を要求した。

 まず、「天才教育」の歴史教科書の代表執筆者であるチュ・ジンオ祥明大教授(歴史コンテンツ学)は、「どの教科書でも主体思想について批判的に記述している」と述べた。チュ教授は「主体思想について記述するように教育課程に明示しておいたのが、他でもない教育部だ。主体思想を事実通り書けば、鼓舞讚揚なのか」と問い返した。

 「飛翔教育」の教科書の代表執筆者であるト・ミョフェ大田大教授(歴史文化学)は、教科書の偏向性を指摘する政府の主張は矛盾していると述べた。ト教授は「『急速な経済成長が生活の質と国民の所得増大に貢献したが、貧富の格差などの社会問題を引き起こすという点にも留意する』という教科書執筆基準に基づき、朴正煕(パク・チョンヒ)政権の経済成長政策の肯定と否定の二つの側面をバランスよく記述したのに、政府は批判的な記述を減らすように求めている」と指摘した。ト教授などは、政府の修正命令に反発して訴訟を進めている。

 クォン・ネヒョン高麗大学教授(歴史教育)は、画一化された教科書が子供たちに与える悪影響を強調した。クォン教授は、「様々な解釈の可能性を遮断する歴史教科書では、現政権の教育目標に合う創造的で自律的な人材を育てられない」と述べた。

 同日の懇談会には、文在寅(ムン・ジェイン)代表、イ・ジョンゴル院内代表、ト・ジョンファン「韓国史教科書国定化阻止特別委員長」など、新政治民主連合議員も参加した。文代表は「大韓民国の歴史学者90%が左派とした金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表の発言は、金代表自身がどれだけ偏向した歴史認識を持っているかを示している。金代表だけでなく、朴槿恵(パク・クネ)大統領とセヌリ党もこのような認識に感染しており、深刻な状況だ」と批判した。

 一方、高校韓国史教科書執筆者協議会は同日、セヌリ党と金武星代表に対し、損害賠償訴訟を提起することを明らかにした。彼らはセヌリ党と金代表が「金日成(キム・イルソン)主体思想を子供たちが学んでいます」と横断幕を掲げ、執筆陣を左寄りの勢力として糾弾する決議文を採択するなど、虚偽の事実を流布して名誉を毀損されたとして、訴訟理由を明らかにした。

ソン・ギョンファ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-10-22 19:31

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/714063.html 訳H.J

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