本文に移動

大邱の地下鉄労組委員長が独断で賃金ピーク制に合意

登録:2015-09-29 22:25 修正:2015-09-30 08:09
 組合員に知らせず職権合意
 5公企業の労組妥結の起爆剤に
 民主労総「上級団体指針違反」批判
 委員長「頑張り切れず…懲戒受ける」
車両基地に停車している大邱地下鉄2号線の電車=大邱地下鉄建設本部提供//ハンギョレ新聞社

 大邱(テグ)都市鉄道公社の複数労組である民主労総と韓国労総に所属する労組が、大邱市傘下の公企業の中で最も早く賃金ピーク制の導入に合意し論議が起きている。大邱都市鉄道公社労組は、地域公企業の中で唯一上級団体があり、賃金ピーク制の導入に最も抵抗が強いと予想されていた。

 29日、大邱市と労働界の説明を総合すると、大邱都市鉄道公社と大邱都市公社、大邱市施設管理公団、大邱環境公団、大邱達城郡の施設管理公団など市傘下の公企業5社の労組は、来年から賃金ピーク制を導入することで経営陣と合意した。 全国で地方自治体傘下のすべての公企業の経営陣と労組が賃金ピーク制に合意したのは大邱だけだ。

 これは21日、大邱都市鉄道公社(社長ホン・スンファル)の二大労組である民主労総傘下大邱地下鉄労組(委員長イ・セヨン)と韓国労総傘下大邱都市鉄道労組(委員長ユン・ジョンパク)が最初に賃金ピーク制に合意したことから始まった。 翌日の22日には大邱都市公社と大邱市施設管理公団が、25日には大邱環境公団と達城郡施設管理公団労組が賃金ピーク制に合意した。 これら4労組は上級団体のない独立労組である。

 民主労総傘下の大邱地下鉄労組が賃金ピーク制に最初に合意したことは意外なことと受け止められている。13日、キム・テファン経済社会発展労使政委員長、キム・ドンマン韓国労総委員長、パク・ビョンウォン韓国経営者総協会会長、イ・ギクォン雇用労働部長官の労使政4人の代表が解雇要件緩和と賃金ピーク制導入に合意した後、民主労総の反発が強かったたためだ。 大邱では韓国労総大邱本部は特別な意見を出さなかった反面、民主労総大邱地域本部は強く反発してきた。 大邱地下鉄労組のイ・スンヨン委員長は、今回の合意過程であらかじめ代議員や労組員に賃金ピーク制の導入を知らせずに職権で経営陣と合意したという。

 今回の合意により現在定年が満60歳である大邱市傘下の公企業職員は、今後定年の3年前から賃金ピーク制の適用を受けることになる。 毎年少なくて8%、多くて30%まで賃金が削減される。 今後5年間に傘下公企業の職員203人が賃金ピーク制の適用を受け、29億3500万ウォンの人件費が減る。 大邱市はこのようにして節約した人件費で5年間に73人の新規職員を採用する計画だ。 新規職員の平均年俸は1800~3000万ウォン程度だ。

 イム・ソンヨル民主労総大邱地域本部長は「(大邱)地下鉄労組のイ委員長が)民主労総公共輸送労組連盟の指針と鉄道地下鉄労組協議会決議に反して賃金ピーク制に合意した。 合意は認定できず、イ委員長に対しては重懲戒手続きを踏む予定」と明らかにした。

 イ委員長は「政府が強く賃金ピーク制を押しつけて、複数労組の一方である韓国労総が経営陣と先に合意したため頑張りにくい雰囲気だった。(賃金ピーク制合意は)私の過ちなので懲戒を受ける」と話した。

キム・イルウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/710701.html 韓国語原文入力:2015-09-29 20:10
訳J.S(1423字)

関連記事