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韓国政府の賃金ピーク制導入強化に労組が反発

登録:2015-08-29 01:20 修正:2015-08-29 08:29
政労使委員会で協議の枠組み作ったばかり
民主労総組合員たちが28日午後、世宗路光化門広場周辺の道路で、政府が推し進める「労働市場の構造改革」の中断を求めて大統領府に向かおうとしたが、警察に制止され、座り込みを行っている=シン・ソヨン記者 //ハンギョレ新聞社

 

 公共機関を対象に全面的に推進する
 今月末50カ所以上で導入する見込み
 行政自治部「地方公企業に計画を提出せよ
 導入しなければ経営評価で減点」
 韓国労総「対話の基盤を壊す行為」

 韓国労総の政労使委員会(政労使委)復帰を契機に、27日に開かれた政労使4人代表懇談会で、公共部門の賃金ピーク制を取り上げる別の協議体を構成することで合意したにもかかわらず、政府は28日、中央公企業から地方公企業に賃金ピーク制導入の圧力を強化した。公共部門の労働組合は、「政労使対話の基本精神に反する」と強く反発した。

 企画財政部の関係者は28日、「韓国農漁村公社、韓国道路公社、韓国土地住宅公社(LH公社)などが追加で賃金ピーク制の導入を決めた」とし「今月末までに賃金ピーク制を導入した公共機関は50カ所を超える見込み」だと明らかにした。

 316の公共機関のうち、賃金ピーク制の導入を決定した公共機関は、今月末まで50カ所を超える見込みだ。企画財政部が当初予想した40カ所をはるかに上回る。政府が賃金ピーク制の導入時期を公共機関の経営評価に反映する意向を示すなど、全面的な圧迫を加えたからだ。民主労総全国公共運輸労働組合のパク・ジュンヒョン政策室長は「政府が賃金ピーク制を早期に導入した公企業に経営評価の際に加算点を与えるとともに、賃金ピーク制を導入しない場合は、予算や定員などで不利益を与えるとして、公共機関を追い詰めている」と批判した。

 韓国労総は27日、政労使4人代表懇談会に先立ち、雇用労働部、企画財政部、政労使委員会に「政労使間の関連議論が予定されている状況で、政労使間の対話が円滑に行われるまで、賃金ピーク制の早期導入計画の推進を留保してほしい」という公文書を送った。しかし、政府の対応は、“休戦”ではなく“戦争拡大”に近い。例えば、行政自治部も28日、「経営評価の際に、賃金ピーク制を導入していない地方公企業は最大2点まで減点し、早期に導入したところは1点を加点する方針だ」として、すべての地方公企業に、来月中に賃金ピーク制推進計画を提出するように圧迫した。

 これと関連し、企画財政部の当局者は「各公共機関で賃金ピーク制の導入時期が決まっており、それに応じて経営評価を行う方針が決定された状況で、直ちに中断するわけにはいかない」と述べた。この当局者は「公共部門の賃金ピーク制の導入を政労使委員会で議論するのも適切ではない」とし、政労使4人代表者懇談会の合意事項を事実上否定するような発言を行った。

 韓国労総は同日、声明を出し「政府が力の論理を前面に出して、公共機関に強制的に賃金ピーク制を導入することは、政労使委員会の対話の基盤を壊す行為」だと批判した。韓国労総全国公共労働組合連盟のイ・インサン委員長も「賃金ピーク制を強行する政府の態度は政労使対話の根本精神である信義誠実の原則に反する」と述べた。

キム・ミンギョン、イム・インテク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力::2015-08-28 19:43

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/706489.html  訳H.J

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