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韓国教育部長官、教科書国定化の代わりに“検定強化”を指示

登録:2015-09-25 22:29 修正:2015-09-26 06:01
 国定化に反発する世論が負担
 執筆陣資格制限・編修強化など検討
 専門家「政府が介入すれば偏向性一層強まる」と憂慮
ファン・ウヨ社会副首相兼教育部長官が10日、政府世宗庁舎で開かれた国会教育文化体育観光委員会の教育部国政監査で「韓国史教科書国定化」に関連し野党議員の批判的質問が相次ぐと困惑した表情を見せている =世宗/キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 ファン・ウヨ副首相兼教育部長官が教科書国定化の代わりに検定教科書の偏差を最小化できる方法を研究し報告するよう“特別指示”を下したと伝えられた。教育部は最近、執筆陣の資格基準強化など“検定強化”方案を本格的に検討しているという。

 パク・ホングン新政治民主連合議員は24日、ハンギョレに「ファン・ウヨ副首相が教育部に(国定化ではなく)検定教科書強化方案を研究し報告するよう指示したことが確認された」と明らかにした。

 パク議員によれば、ファン副首相は最近教育部担当者に「国政監査以後、検定で進める場合、どのようにすれば偏差を最小化できるかを細かく研究し報告せよ」と指示した。 世論の強い反発を押し切って国定化を推進することは負担が大きいという判断が作用したものと見られる。 これは23日にファン副首相が「(国定でも検定でも)どちらにしても心配するほどの過激な結果は出てこないだろう」として、検定強化を示唆した発言と一脈相通じる。

 教育部は検定強化方案として、執筆陣資格基準強化と教育部自体の編修機能強化などを有力な案として検討しているという。ハンギョレがこの日入手した「教科用図書開発体制の改善法案」報告書によれば、今はない執筆者資格基準を新たに導入するようにしている。 ソ・ナムス前長官の時に用意したこの報告書は、検定教科書著作者の要件を「元・現職の教員、教育専門職、専門研究機関研究員、該当教科専門家」と定めて学位の有無により最長10年の経歴基準を設けた。

 その一方で報告書はこれに伴う問題点も共に指摘している。 教科書の多様性を阻害し優秀人材の執筆参加を防げるということだ。

 教育部編修機能強化も言及された。 教育部の管理・監督機能強化のために、教科書関連行政体制を構築し誤りを防止し中立性を確保しなければならないという理由からだ。 報告書は「教育課程改正業務を担当した教育部の専門人材が教科書執筆、審査、既刊本の修正・補完業務を一貫性を持って担当する必要がある」として「教育部内部に教科書を管理・監督する職制と担当人材、協業システムなどを用意しなければならない」と指摘した。

 キム・ユクフン歴史教育研究所長は「教育部が教科書の誤りを減らすために検定を強化するというが、執筆者の資格制限や編修機能強化はこれとは乖離がある。現状でも教育部が明白なエラーを指摘すれば修正せざるをえない」と話した。さらに「教育部が編修機能を強化して教科書の内容に対して持続的かつ具体的に介入すれば、政府が望む方向に偏向性をさらに強化する憂慮が大きい」と付け加えた。

チョン・ジョンユン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/710459.html 韓国語原文入力:2015-09-25 01:56
訳J.S(1443字)

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