登録 : 2015.09.10 01:54 修正 : 2015.09.10 05:44

歴史・歴史教育の研究者たちが9日午前、ソウル鍾路区の興士団講堂で「韓国史教科書国政化に反対する歴史・歴史教育研究宣言」を発表している。この宣言には、歴史界の元老教授や教授、講師、大学院生など1167人が名を連ねた=キム・ボンギュ記者//ハンギョレ新聞社
 「中学校歴史、高校韓国史教科書の国定化」を決める政府の発表が間近に迫った中で、革新系と進歩系を網羅した歴史・歴史教育界の研究者たちが9日、国政化の試みの中断を求めた。全国の歴史教師とソウル大学の歴史関連の5つの学科の教授、独立運動団体、保護者、教育監(教育委員長)に続き、専門家集団である歴史分野の元老教授、教授、講師、大学院生など約1167人が公開的に反対を表明したことで、政府とセヌリ党を除くと、事実上、国政化を主張する勢力はほとんど見当たらなくなった。

 新政治民主連合が「韓国史教科書国定化阻止のための特別委員会」(ト・ジョンファン委員長)を立ち上げ、一部の保守言論までもが「民主的な多様性と開放性を抑圧する国定教科書では、世界の人材と資本を引き寄せる魅力的な国になれない」と反対に乗り出した状況で、朴槿恵(パク・クネ)政権が国定化を強行すれば、社会的な対立が深刻になる見込みだ。

 政府とセヌリ党は、公開的にはまだ韓国史教科書を国定化するかどうかを決めていないとしているが、“秒読み”に入ったものと予想される。実際、東亜日報はこの日、政府関係者の話を引用して、「政府や与党、大統領府の協議を通じて、歴史教科書の国定化は事実上既成事実化されており、発表時点を調整している段階」だと報じだ。教育部は、直ちに「報道内容は事実と異なっており、中学校歴史教科書の国定化はまだ決まっていない」と反論した。金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表が党内外で国定化の正当性を説明している状況で、政府は口を閉じたまま「世論の動向」を窺っている様子だ。

 市民社会と専門家たちは、今月に入って7回目の宣言を発表し、連日「国定化反対」の声をあげている。 2日にはソウル大学の歴史専門の教授たちと全国歴史教師たちが、4日には独立運動団体が、7日には保護者1万3042人が、8日には首都圏と南部圏の市・道教育監10人が、9日には忠清圏の教育監4人に続き、9日には歴史・歴史教育の研究者たちが「韓国史教科書国定化に反対する歴史・歴史教育研究宣言」を発表した。

 研究者らは9日午前、ソウルの興士団(フンサダン)で記者会見を開き、「国定教科書は教科書の執筆と編纂はもちろん、修正や改編まで教育部長官の意のままになる“独占的”教科書」だとし「国定への回帰は40年以上にわたる民主化運動の成果、大韓民国が成し遂げた社会文化的な達成、そして市民、研究者の熱望と努力を否定する処置」だと明らかにした。

 学界の元老、教授1167人の実名反対
 今月だけですでに7回目の集団宣言
 教師、保護者、市道教育監などを網羅

 「親日勢力の歴史ロンダリング作業の一環
 強行の際には執筆拒否や代案教科書を用意」
 政府、言い逃れながら世論の動向を窺う陽動作戦を展開

 彼らは、「憲法裁判所は1992年、国史の場合、様々な見解を紹介するのが望ましいと述べた」とし、政府とセヌリ党に「憲法精神の守護」を求めた。ソウル大学の歴史専門教授たちも2日、「歴史(韓国史)教科書の国定化は憲法の精神に合致せず、国家と社会のために望ましくない」と指摘した。

 歴史・歴史教育界の研究者らの共同宣言は、保守と革新を網羅宣言であるにもかかわらず、異例的に国定化への試みの背後には親日・独裁勢力があると強く批判した。研究者たちは、「韓国史教科書の国定化は親日・独裁の歴史と無関係でない勢力が、自分たちの恥ずかしい歴史を隠蔽したり、美化しようとする“歴史ロンダリング”の作業の一環という非難の声があがっている」とし「歴史教育を政治的に悪用しようとする不純な意図がないなら、到底ありえない異常な行動」だと強い口調で批判した。宣言の発表者であるチョン・ヨンウク韓国歴史研究会長(ソウル大学国史学科教授)は、「国定化反対」は、すでに社会的にも共感を得られた事案だと強調した。チョン会長は「教学社の高校韓国史教科書が現場で0%台の採択率を見せた。討論会を開くなら、国定化を主張する側の代表は討論者ではなく、傍聴席に座らなければならないほどだ」と比喩した。

 歴史研究者たちは、宣言文で「将来の世代」への懸念も示した。彼らは「政府、与党の国定化の試みが教育の自律性と中立性を侵害するだけでなく、その被害が、結局、将来の世代にそのまま転嫁されざるを得ないという点を深刻に憂慮する」とし、政府とセヌリ党の自制を要請した。司会を務めたキム・ソンボ歴史問題研究所所長(延世大学史学科教授)は、「国定化は韓国社会の文化能力を萎縮させると共に、歴史的想像力を消滅させて文化産業に悪影響を及ぼし、朴槿恵大統領が強調する文化隆盛にも反する」と指摘した。

 歴史研究者たちは、政府が国定化を強行すれば、執筆拒否と代案教科書の用意などで対応すると強調した。チョン・ヨンウク会長は「政府が国定化を図るうえで、最初にぶつかる難局は、教科書執筆者を見つけるのは難しいという点だ。執筆として参加する人はほとんどいないと思われるが、象徴的な意味で不参加運動も計画できる」と説明した。

 代案教科書など、豊富で正確な歴史教育のための方案も用意されている。チョン会長は「教育現場に国定教科書を強要するなら、学界と教育界が代案教科書を含めて国定教科書の問題点を正すことができる資料を提供する」と述べた。教師2255人も2日の宣言を通じて「国定教科書廃止運動を展開し、代案的歴史教育を実践する」と明らかにした。

 新政治民主連合や正義党などの野党は10日、教育部の国政監査で、韓国史教科書の国定化問題を集中的に提起する予定だ。チョン・ジンフ正義党議員は9日、「1994年度から2004年度まで、修学能力試験の数学と英語は必須(科目)だったが、高校数学と英語の教科書は検定だった」とし「2017年度から韓国史が修学能力試験の必須科目なので、国定化する必要があるというファン・ウヨ副首相兼教育部長官の主張は論理的に(辻褄が)合わない」と指摘した。

チョン・ジョンユン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-09 20:00

http://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/708190.html 訳H.J

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