本文に移動

韓国教育部長官「国定教科書を排除しない」…与野党が国政監査で衝突

登録:2015-09-11 00:22 修正:2015-09-11 03:01
国定化関連の資料提出も答弁も回避
10日午前、政府世宗庁舎教育部大会議室がガランと空いている。ここで進行されていた国会教育文化体育観光委員会の国政監査が開始1時間余りで「韓国史教科書国定化」と関連した教育部の資料提出拒否などで中断されたためだ =世宗/キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 19代国会の教育文化体育観光委員会国政監査が「韓国史教科書国定化」のブラックホールに吸い込まれた。 党・政府・大統領府協議会で国定化を既定事実化したという報道まで出た状況で、ファン・ウヨ副首相兼教育部長官が国定化と関連した資料の提出も答弁も回避すると、野党議員が「方針を明らかにせよ」と要求し、会議中断騒動につながった。

 ファン・ウヨ副首相は10日、政府世宗(セジョン)庁舎で開かれた教育文化委国政監査で「所定の手順を踏んで教科課程が確定した後に、国定、検定、認定告示手続きを踏むことになる」として、「それ以前に推定では申し上げにくく、結果をあらかじめ申し上げることは適切でない」と述べた。 そしてファン副首相は「私が国政を排除しないということまでは申し上げる」と付け加えた。

 教育部はこの日、国会議員に提出した「歴史教科書発行体制改善推進現況報告」資料で、検定体制強化と国定転換の2種の方案を全て検討していると明らかにした。 国政監査前から国定化が最重要な国政監査争点になるだろうと展望されていたが、「教育部主要業務報告書」には国定化可否と関連した具体的な進行状況などは記述されていなかった。

■教育部国政監査「韓国史教科書国定化」

 新政治民主連合と正義党議員は教育部の密室行政を叱責し、パク・ジュソン委員長(新政治民主連合)が「ギネスブックに載る」と言及するほどに議事進行発言を連発した。

 同連合のユ・キホン議員は「ファン副首相は複数の野党議員との出会いで『私の手を離れた、時期だけが残った』という話をしたことがある」として「今、与野党全部が国定化が最大関心なのに、国政監査を正常に進めるには国定化作業がどこまで推進され、いつ頃実施するのか長官の明確な発言がなければならない」と詰め寄った。同連合のパク・ホングン議員も「国定化は最も深刻な問題、核心イシューに浮上したし、当然業務報告にこの間の経過と今後の計画が入れられなければならなかったのに、(教育部がこれを)避けた。 国政監査で国定化が抜け落ちた業務報告を受けなければならないのか」と批判した。

 野党議員が教育部の資料提出拒否を「国政監査妨害」と規定し、相次いで会議の中断を要請すると、開会1時間後の午前11時6分、議事進行発言が中断された。 国政監査は昼12時6分に開始され1時間ほど続いたが、国定化と関連したファン副首相の返事は要領を得なかった。 パク・ジュソン委員長は教育部の不誠実な答弁を叱責した。 パク委員長は「国会国政監査および調査に関する法律4条1項によれば、軍事・外交・対北朝鮮関係の国家機密に関する事項として、国家安全に重大な影響を及ぼすという長官の疎明があって初めて資料提出の拒否が可能だ」として「(国定化関連)すべての書類が国家機密に該当するとは見られず、正当な理由がない時は3年以下の懲役、1000万ウォン以下の罰金に処することになっている」と指摘した。

 ファン副首相は午後の答弁過程で「各界意見集約と懇談会、討論会、公聴会、世論調査などを行ってきた」と説明した。さらに「9月下旬には2015年改正教育課程告示が予定されていて、それに続いて教科用図書区分告示(国定・検定・認定確定)を行う予定で、国定図書は2017年3月、検定図書は2018年の使用に備えて準備している」と報告した。

 しかしペ・ジェジョン新政治民主連合議員は「でたらめな教学社版韓国史教科書も区分告示以後に現場配布まで2年6カ月かかったが、どのようにして1年5カ月で誤りのない国定教科書を作るというのか」として国定化の中断を要求した。

 同連合のソル・フン議員は「国定化事案を最もはやく決着させる方法は、ファン副首相が朴槿恵(パク・クネ)大統領に『国定化してはならない』と具申することだ。時間浪費と消耗的な戦いを防ぐ最も速い方法としてそれが正道」と注文した。

 与党議員は国政監査の焦点を別のイシューに移そうと努めた。 一部は国定化を擁護しもした。セヌリ党のハン・ソンギョ議員は「(野党が与党議員も内心では国定化に反対していると)推定して我々を罵倒しているのは人格冒とく」と訴えた。 同党のキム・ハゴン議員は「国定化は公正にしなければならない。これが担保されれば韓国史国定教科書を必ず実施しなければならないと考える」と明らかにした。

チョン・ジョンユン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/708434.html 韓国語原文入力:2015-09-10 21:20
訳J.S(2116字)

関連記事