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[ニュース分析] コントロールタワーになれた大統領府、対北強硬策が続く見込み

登録:2015-08-26 01:12 修正:2015-08-26 08:31
 北朝鮮の提案を「2 + 2高位級接触」に格上げ
 交渉中、板門店とホットラインで連絡
 国家安保室・首席室徹夜で待機
 形式から内容まで取りまとめる 
朴槿恵大統領が25日、第43回国際技能オリンピックで総合優勝して帰国した選手団を激励するため大統領府午餐会場に入り、参席者の拍手を受けている=イ・ジョンヨン先任記者//ハンギョレ新聞社

 南北高位級接触で劇的に妥結をみた25日、大統領府の参謀たちは「南北関係でこれ以上の結果は得られない」と満足感を隠さなかった。

 朴槿恵(パク・クネ)大統領の任期後半期の初日に南北関係改善の糸口を掴む特別な意味を持ったのに加え、今回の南北高位級接触の開始から終了まで、大統領府がコントロールタワーの役割を果たしたという自負心があるためだ。セウォル号沈没やマーズ(MERS)事態のような多くの国家的危機を体験してきた大統領府は、事実上初めて交渉の形式から内容まで仕切るコントロールタワーの役割を果たした。

 大統領府は、北朝鮮が今月20日にキム・ヤンゴン労働党対南担当書記との会談を提案したことを受け、その翌日にはパートナーを北朝鮮軍のトップであるファン・ジョンソ人民総政治局長に格上げすることを求めることで、「2 + 2高位級接触」を実現させた。続いて大統領府は、主要参謀たちが交渉中に板門店(パンムンジョム)交渉会場に設置された監視カメラ(CCTV)を通じてリアルタイムで映像を見守るとともに、秘話機(盗聴防止)電話で訓令を下す“後方支援”も行った。大統領府関係者は「朴槿恵大統領はリアルタイムで映像を見続けていたわけではないが、参謀たちから頻繁に状況報告を受け、必要な事項を指示した」と述べた。

 大統領府「これ以上の結果は得られない」と満足感示す
 ホン・ヨンピョ統一部長官「重要な事例になるかもしれない」
 友好世論をもとに主導権を強化する見込み
 有利な外交環境づくりに乗り出す

 朴大統領は今回の交渉妥結で得た自信をもとに、今後の南北関係でも「対話はするものの、挑発は強く膺懲(ようちょう)する」原則を強調した強硬基調を維持する可能性が高いものと見られる。朴大統領が交渉妥結について「挑発に断固として対応するという原則を一貫して守った結果」と自評したことが、その見通しを裏付けている。何よりも北朝鮮の地雷挑発に「遺憾表明」の形式ではあるが、事実上の謝罪と解釈できる答えを引き出したことで相当な世論の支持を得たという点から、強硬方針を堅持するものと見られる。これに関連して、ホン・ヨンピョ統一部長官は同日、セヌリ党議員研鑽会報告で、北朝鮮の遺憾表明について「今後の重要な事例になるかもしれない合意」として、今後天安艦事件への制裁である5・24措置などに関する対北交渉のモデルにしようとする意向を覗かせたものと解釈される。

 別の角度から対北強硬基調が続くとの見通しもある。「オピニオンライブ世論分析センター」のユン・ヒウンセンター長は「強硬な保守層は、政府が北朝鮮との対話に乗り出している点と、今回の合意文に北朝鮮の“明示的な謝罪”が盛り込まれなかった点に不満を持っていると思われる」とし、「朴大統領が強硬保守支持層を適切に管理する必要があることから、北朝鮮への強硬対応と安全保障重視の発言を強化するものと見られる」と述べた。

 朴大統領はまた、今回得られた国内外からの友好的な世論をもとに、北東アジア外交でも主導権を強化していこうとするものと見られる。 9月3日に予定される中国の抗日勝利記念式典への出席と、10月16日に米国で行われる韓米首脳会談などで、一層余裕を持って北朝鮮問題を取り上げる条件を整えたという評価だ。

ファン・ジュンボム、チェ・ヒェジョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-08-25 18:07

 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/705972.html?_fr=mt0 訳H.J

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