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北朝鮮の遺憾表明は“謝罪”なのか

登録:2015-08-25 23:25 修正:2015-08-26 08:36
北朝鮮の非武装地帯(DMZ)木箱地雷挑発と西部戦線砲撃挑発でもたらされた朝鮮半島軍事的緊張状況を議論する南北高位級接触が25日0時55分、劇的に妥結した。全体会議の様子 =統一部提供//ハンギョレ新聞社

 韓国政府、北朝鮮が主体を明示した遺憾表明は96年以来初めてで「謝罪に当たる」
 専門家では「謝罪ではない」と「謝罪の意を込めた表現」に見解分かれる

 北朝鮮が南北「2+2」高位級接触で地雷爆発と関連して遺憾を表明したことに伴い、当初韓国政府が要求した「謝罪」と見なせるか議論になっている。 保守層の一部では謝罪も受けずに北朝鮮向け拡声器放送を中断するのは「失策」とする批判が起きている。 だが多数の南北関係・外交専門家たちは、遺憾が謝罪の“外交的表現”であることを理解する必要があると指摘する。

 南北が25日に同時に発表した高位級接触の「共同報道文」2項は、「北側は南側地域で発生した地雷爆発により南側の軍人が負傷を負ったことに対し遺憾を表明した」と明らかにした。

 韓国政府はこれを「謝罪」と釘を刺した。 接触に参加したキム・クァンジン大統領府国家安保室長は25日、大統領府ブリーフィングで「北朝鮮が地雷挑発に対して“謝罪”と再発防止と緊張緩和のために努力すると言ったことには意味がある」と話した。 統一部当局者も記者たちと会って、「今まで北朝鮮が遺憾表明の主体を北朝鮮と明示したケースは、1996年の江陵(カンヌン)潜水艇浸透事態の時以外には無かった」とし、「その上、自分たちが公式に自身の仕業ではないとすでに言っていたことに対して遺憾表明したのは今回が初めて」と話した。

 また、韓国政府は外交文書において「遺憾表明」は謝罪の意味で使われるという慣例も根拠に挙げた。 北朝鮮が自主的に発表した文書ではなく、南北の合意文書にこのような表現が入ったことにも意味を付与した。

 だが、遺憾表明を謝罪とは見難いという声もある。北朝鮮の仕業であることを明示する「地雷挑発」ではなく「爆発」という表現が入っており、自分たちの仕業であることは認めていないという主張だ。

 しかし、専門家たちの間では、相手がいる関係で「謝罪」を明示するよりは「遺憾」という折衷型表現を使わざるをえない現実を認めるべきだという意見が多く出される。ヤン・ムジン北韓大学院大学教授は「(文脈を見れば)北朝鮮の遺憾表明を謝罪だと言うのは難しいが、重要なことは南北が交渉して一歩ずつ譲歩し合意に到達したこと」と話した。 チョン・セヒョン元統一部長官は「政府が寛大な心を発揮して、これを謝罪と受け止めて軍事衝突状況を避けたことは誉めるべき」と評価した。

 北朝鮮向け拡声器放送中断の条件として掲げた「非正常的事態」の意味を巡っても解釈が分かれている。 ホン・ヨンピョ統一部長官はこの日、忠清南道・天安(チョナン)で開かれたセヌリ党国会議員研鑽会で「北朝鮮が最近あった地雷や砲撃挑発のような行動を再びするなら、報復が必ずあるだろうと明確に伝えた」と説明した。 休戦ライン一帯での停戦協定違反に該当する挑発を指すということだ。

 しかし、以後「北方境界線(NLL)侵犯や核実験、長距離ロケット発射など停戦協定違反とは別個に扱われる懸案も“非正常事態”に該当するか議論になることが考えられ、南北間の葛藤要因になり得る」(ヤン・ムジン教授)という指摘も出された。

キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/705917.html 韓国語原文入力:2015-08-25 20:14
訳J.S(1581字)

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