登録 : 2015.08.21 22:41 修正 : 2015.08.22 06:47

 北朝鮮脱出者の経験談、天気予報など
 金正恩体制に対する批判は除かれたが…
 南側の体制優越性・技術力を
 北の住民が肌で感じるよう誘導

グラフィック //ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が21日、漣川(ヨンチョン)郡と非武装地帯砲撃の口実とした対北朝鮮拡声器放送は、北朝鮮に対する直接的批判より韓国側の生活や天気などの内容を素材に行われている。放送の効果については、軍と専門家たちの間で立場が大きく分かれる。

 軍は今月4日、非武装地帯での地雷爆発で将兵2人が重傷を負い、10日から京畿道漣川と坡州(パジュ)の2カ所に北朝鮮向け拡声器を設置し心理戦放送を始めた。 現在は前方地域11個師団で1カ所ずつ、計11カ所で北朝鮮向け心理戦放送をしている。 軍では拡声器を声がよく広がる高所に設置しているため、北が打撃することは難しくない。 軍関係者は「前日に北朝鮮が撃った高射砲が拡声器から870メートル程離れたところを通過した。照準射撃ではなく威嚇が目的」と話した。

 韓国軍が運用中の北朝鮮向け拡声器は横4メートル・縦3メートルの大きさで、デジタル放送方式で5百ワットの高出力スピーカー約40個で作られている。昼は放送が10キロメートル以上届いて開城(ケソン)工業団地まで、夜は24キロメートルまで声が聞こえる。現在は非定期的に放送している。 北朝鮮でも今月17日に韓国向け拡声器放送を始めたが、アナログ方式の旧型であり韓国側では内容もまともに聞こえないと伝えられている。

 放送は概して金正恩体制に対する直接的な批判より、韓国や北朝鮮のニュースと世界情勢、北朝鮮の天気など政治的色彩の薄い内容を含んでいる。 政府が製作した『自由の声』放送には自由民主主義体制の優越性を伝える内容が含まれている。 北朝鮮を脱出したある女性も放送に参加して、脱出経験談と韓国での暮らしの様子を聞かせている。 北朝鮮の天気情報を放送するのは、韓国側の正確な天気予報に基づいて北朝鮮の住民たちが洗濯をするなど実生活に役立たせ、韓国側の科学技術の優越性を肌で感じさせるという趣旨だ。 だが、軍では北朝鮮側の対応次第で金正恩体制に対する強力な批判や24時間放送などにより心理戦の強度を高めることもあると言う。

 軍や保守団体では北朝鮮が対北朝鮮放送開始から10日目に砲撃してくるなど、挑発行為自体が北朝鮮向け心理戦の効果を立証していると言う。 北朝鮮脱出者が心理戦放送を聞いて脱北を決心したという証言も、放送を「強力な対北朝鮮非対称戦力」の確信根拠としている。

 だが、北朝鮮専門家たちは南北関係に及ぼす影響と実際の効果を考慮した時、北朝鮮向け拡声器放送は中断すべきだと指摘している。 ヤン・ムジン北韓大学院大学校教授は「北朝鮮の住民たちが知らない金正恩3父子火刑式に北朝鮮が強力に反発するのは、体制に対する冒とくだ。 対北朝鮮心理戦も北朝鮮がその効果のために砲撃をしてきたわけではない」とし、「対北朝鮮心理戦で北朝鮮の住民や兵士が組織的に脱北した事例はなく、むしろ思想教育を強化する原因を提供しかねない」と話した。

キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-08-21 19:10
http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/705426.html 訳J.S(1435字)

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