登録 : 2015.07.16 23:03 修正 : 2015.07.17 14:28

また政権に肩入れする「傾いたスケール」

ヤン・スンテ長官をはじめとする大法官たちが16日午後、ウォン・セフン前国家情報院長事件に対する全員合議体判決法廷に座っている=キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社
 大法院(最高裁)がウォン・セフン元国家情報院長の公職選挙法違反の罪を認めた控訴審判決を破棄したのは、社会的影響が大きい主要事件に対し、常に政権ないしは既得権益に肩入れしてきた流れに通じるものだ。李明博(イ・ミョンバク)政権以来加速された大法院の構成の保守化が、このような流れの背景にあるものと分析される。

 大法院全員合議体は16日、ウォン・セフン元国家情報院長の大統領選挙介入の疑いについて、選挙法違反の罪を認めた原審に対し、有・無罪を判断せず、事件を破棄して差し戻した。しかし、原審が選挙法違反の罪を認めた主要な根拠だった「425旨論」や「セキュリティ」ファイルの証拠能力を否定しており、事実上無罪の趣旨の破棄差し戻しとみられる。朴槿恵(パク・クネ)政権の「正統性」にかかわる事件で、最高政治権力の味方したことになる。

 大法院が下級審の前向きな判決を破棄したのは今回が初めてではない。ソウル高裁は昨年2月、双龍自動車の解雇労働者が提起した整理解雇無効訴訟で、労働者が敗訴した原審を覆し、原告勝訴の判決を下して注目を浴びた。当時裁判所は、「会社が会計報告書を通じて将来の損失を誇張しており、解雇回避のためのあらゆる努力をしたとは認められない」と判断した。しかし、大法院はこれを破棄し、整理解雇を有効と判断した。大法院は、これまで整理解雇要件を緩和する判例を作り続けてきたが、その流れに沿って双龍自動車の整理解雇も正当であると認めたのだ。

国家情報院による大統領選挙・政治介入事件1~3審判断 //ハンギョレ新聞社

 双龍自動車、全教組、過去事、通常賃金など
 社会的影響力が大きな事件に対し「既得権益、不敗」
 「大法官の保守化のせい」との分析も
 「協同体の多様な価値観包括できず」

 大法院は先月、全国教職員労働組合の法外労組通知取消訴訟で、控訴審が効力を停止させた雇用労働部の法外労組通知処分を復活させた。憲法裁判所が解雇者の教員労組加入資格を否定する法律条項について合憲決定を下したことを受け、直ちに法外労組通知の効力停止の決定を破棄して、全教組を法外労組状態に戻しておいたのだ。

 朴槿恵政権発足以降さらに顕著な大法院の「歴史退行的な」判決も同じ流れを汲むものと見られる。大法院全員合議体は2013年、国の不法行為に対する損害賠償訴訟で、「過去事委員会の報告書を無条件で証拠と認めるわけにはいかない」という判例を作り、「過去事」被害者遺族に国が損害賠償しなければならないという原審を破棄した。今年初めに拷問の被害者でも民主化運動補償金を受け取ったなら、国から賠償を受けることはできないとし、国の賠償責任を認めた原審を覆した。過去事に関連した損害賠償訴訟の対象の多くが朴正煕(パク・チョンヒ)政権時に発生した人権侵害事件であることから、被害者立ちは、大法院が政権を考慮して判断しているのではないかという疑念を抱いている。

 既得権益への肩入れをめぐる議論は財界と関連した事件でも続く。 2013年の定期賞与が通常賃金に含まれるかをめぐり、社会的な議論が起こっていた時、大法院は通常の賃金も定期賞与に含まれる宣告しながらも、民法の信義誠実の原則を挙げて、遡及適用を制限した。社会的弱者のための「信義誠実の原則」を強者のための道具として利用した自家撞着と批判されたが、大法院は、経営上の困難が大きいという財界の主張に耳を傾けた。

 大法院の構成が変わったことで同じ事件をめぐっても、雰囲気が変わった事例もある。大法院は、李明博政権当時、民主主義の後退を懸念する全教組の時局宣言に対しても有罪判決を下した。この事件は、主審だったキム・ジヒョン元大法官(最高裁判事)が在任した当時は無罪の意見が多かったが、キム元大法官とパク・シファン元大法官など、革新志向の大法官が退任した後、大法院の構成が保守一色に変わり、有罪と傾いたと伝えられた。

 ハン・サンヒ建国大学法科大学院教授は「ヤン・スンテ大法院長体制の下、保守的な裁判官出身者で人的構成が画一化されている。現在では共同体の多様な価値観を包括できる大法院とは言えない状況」だと述べた。

ソ・ヨンジ、イ・ギョンミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-07-16 20:16

http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/700633.html 訳H.J

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