登録 : 2015.07.16 22:43 修正 : 2015.07.17 16:03

国家情報院職員が「知らない」としらを切れば証拠にならない?

国家情報院による大統領選挙・政治介入事件1~3審判断 //ハンギョレ新聞社

 大法院(最高裁)全員合議体(主審:ミン・イルヨン大法院判事)は16日、ウォン・セフン元国家情報院長の大統領選挙・政治介入容疑を有罪とした控訴審判決を破棄し、国家情報院職員が使ったツイッターアカウントが記録された電子メール添付ファイルを証拠として認めなかった。大法院は事件をソウル高裁に差し戻し、明示的には「選挙・政治介入の有無を判断できない」と明らかにした。 しかし、証拠認定範囲を1審と同じく判断し、「政治介入は事実だが選挙介入ではない」として“指鹿為馬(鹿を指して馬となす)判決”と批判された1審の手を挙げる格好になった。

■国家情報院の“知らぬふり”戦略を大法院が認定

国家情報院の大統領選挙介入事件(1) //ハンギョレ新聞社
 大法院が証拠から除外した「425論旨」と「セキュリティ」ファイルは、国家情報院安保5チーム(ツイッターチーム)のキム氏の電子メール添付ファイルだ。425論旨は「4月25日論旨」の意味だと推定される。 A4用紙420枚からなる両ファイルは、2012年4月25日から同年12月5日まで毎日ウォン元院長が下した指示事項の要点が書かれている。A4用紙19枚からなるセキュリティファイルには、キム氏が使ったツイッターアカウント30個とパスワード、別の要員の名前の前二文字と、その要員が使ったと見られるアカウントが列挙されている。 そこにはキム氏のツイッター活動内訳と共に、リツィットする右派論客のツイッターアカウント、フォロワーを増やす方法も記されている。 検察は両ファイルに書かれたアカウントを糸口に、連結アカウント1157個と78万6698件のツイッター文を捜し出した。 国家情報院の政治介入と選挙介入を認める決定的証拠だった。

 だが、キム氏は1審法廷で「電子メールは私が使ったものに間違いないが、添付ファイルは誰が書いたのか知らない」と述べた。 添付ファイルにはキム氏だけが知りうる活動内訳が日付と場所別に記録されていたが、キム氏は知らぬ存ぜぬで通した。1審は作成者が法廷に出てきて「私が使ったものに間違いない」と認めてこそ証拠として採択する刑事訴訟法の「伝聞法則」規定を根拠に挙げて、両ファイルを証拠として認定しなかった。 国家情報院職員が認めた一部のアカウント、およびこのアカウントと自動伝播プログラムに連結されたアカウントなど合計175個のアカウントが書いた文11万3621件のみを証拠として認定した。 その結果、1審はツイッター内容が政府を広報したり野党を批判する内容なので政治関与は事実だが、選挙を控えてむしろ文が減少し選挙介入に目的があるわけではないと判断した。

大統領選挙介入の核心証拠となった
国家情報院職員のEメール添付文書
「当事者が使ったと言ってこそ証拠」
国家情報院ツイッター文の証拠認定
11万件→27万件→再び11万件
高裁、有・無罪判断をやりなおし

国家情報院の大統領選挙介入事件(2) //ハンギョレ新聞社
 だが、控訴審は二つの添付ファイルを全て証拠として認定した。刑事訴訟法は当事者が作成を否認しても、業務上文書など特に内容の信頼性が担保される場合には例外的に証拠として認める規定も設けられている。 二つの添付ファイルがまさにこの業務上文書に該当すると見て、証拠が大幅に増えた。 控訴審は両ファイルにあるアカウントを基にツイッターアカウント716個で書かれた文27万4800件を証拠として認定した。 判断対象が増えたことにより選挙介入の有無も明確になった。 2012年8月、朴槿恵(パク・クネ)大統領がセヌリ党大統領候補に決定された時点から「一般政治文」の比率が減って「選挙関連文」が増加した事実が統計で確認された。 これを根拠にウォン元院長の選挙法違反容疑を有罪と判断できた。

 だが、大法院は添付ファイル2個は「業務上文書」には該当しないとした。業務上文書は、「作成者が業務上機械的・反復的に作成しているため虚偽が介入する余地がなく、高度な信用性があることを意味するが、両ファイルの内容は出処が不明で作成者が機械的に繰り返し作成したものかが不明であるため、業務上作成された通常文書とは見られない」とした。 だが、大法院は2007年に性売買女性たちが営業の参考にするために相手男性の電話番号および売春方法などをメモに書き留めた内容を、業務上通常文書として認めたことがある。 民主社会のための弁護士会事務総長であるチョ・ヨンソン弁護士は「大法院はデジタル文書に伝聞法則の例外を簡単に認めてきたが、今回の判決では厳格な立場に則り例外とは認定しなかった」と評した。

■破棄控訴審の判断は?

 大法院は控訴審が認めた27万件余りから16万件のツイッター文を除き、事実上1審と同じく11万件だけを証拠として認定した。 だが、大法院は破棄控訴審で追加証拠が認められる可能性があるという理由で、大統領選挙・政治介入に対する判断を回避した。 しかし二つの添付ファイルが証拠全体に占める比重が大きいため、破棄控訴審で追加でツイッター文などが証拠と認定されることは難しいと思われる。 証拠として認定されたツイッター文の規模が大幅に縮小されれば、1審のように選挙法違反容疑に無罪判断が出てくる可能性が高まるものと見られる。

 だが、1審で認めた証拠11万件に基づいても、十分に選挙介入目的を認めうるという反論もある。 ある検察関係者は「大法院が証拠として認定した文11万件を基に、1審と同じく選挙法違反は無罪と判断することもできたのに、今回そうはしなかった。 11万個を基に選挙法違反を有罪として認定することもできるという意味」と話した。

イ・ギョンミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-07-16 21:25
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/700670.html 訳J.S(2494字)

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