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WHO「韓国のMERSは緊急事態に該当しない」

登録:2015-06-17 22:59 修正:2015-06-18 07:03
 世界保健機関、緊急会議開いて発表
 「移動遮断で制御可能」
 「変異・病院外感染の証拠はない」再確認
 福田事務次長「皆驚いている」
17日午前、ソウル・江東区の江東慶熙大病院入口で、病院関係者が出入りする医療スタッフに発熱チェックをしている。保健福祉部は同病院の救急救命医療スタッフがMERS陽性反応を示したと明らかにした=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 世界保健機関(WHO)が韓国の中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの拡散が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC)に該当しないと明らかにした。

 WHOは16日、MERSの拡散と関連し、ビデオ会議を通じて第9回緊急委員会を開いた後、17日、こうした内容を盛り込んだ声明を発表した。緊急委員会は、「韓国での感染が確認されてから、一定期間の整備段階を経た後、韓国政府が強力な対応を示したことで、拡散を制御できるようになった」とし、今回の決定の背景を説明した。委員会はまた、韓国政府は接触者を追跡し、彼らを適切に隔離して観察しており、感染の疑いがある状況において不適切な移動や接触を遮断することにも、効果的に対応したと付け加えた。

 委員会は、現在、韓国などでのMERS拡散が「頻繁に移動が行われる現代社会に警鐘を鳴らしている」とし「すべての国が伝染病の感染の拡大に対する対応態勢を整えなければならない」と警告した。

 今回の会議では、韓国でMERS関連の調査を行ったWHOの調査団も参加し、一週間MERS感染経路などについて調査した結果を報告した。福田敬二・事務局長補は、韓国でのMERS拡散について「皆驚いている」と述べた。

 委員会は、韓国でのMERS拡散が、保健当局関係者と一般の人々のMERSに対する理解不足、二次感染の遮断と病院での制御不足、病院の緊急治療室の相部屋でMERS感染患者の近接接触、患者が複数の病院を回って診断を受ける慣習(医師ショッピング)、感染患者の病室に見舞いに行ったり、家族が介護をする習慣が二次感染を容易にしたことなどに起因すると指摘した。福田事務局長補は「(韓国の)病院の緊急治療室には多くの人が出入りしている」とし「1人が簡単に他の人たちに感染させることができる」と述べた。

 委員会は、韓国のMERSウイルスが中東で発見されたものとは異なり、変異したという証拠を見つけられなかったことを明らかにした。ただし、今後MERSウイルスが変異するかどうかを継続して観察することが重要であると指摘した。

 委員会は、韓国のMERS拡散が病院外でも持続的な感染状態にあることを裏付ける証拠はない、という既存の立場も再確認した。しかし、まだ人と人との間の接触感染に関する情報が不足しているため、汚染された環境の潜在的な役割を含め、痛風の問題など、他の要素がどのように関連しているかを追跡することが重要だと述べた。

 委員会は、今後数週間、韓国で追加の感染例が報告される可能性があるとし、これには拡散の初期段階の接触者が確認されていない場合が含まれると説明した。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-06-17 20:06

https://www.hani.co.kr/arti/international/internationalunit/696464.html  訳H.J

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