エムバレク博士「患者たちが多くの病院で診断を受け広く拡散」
「感染の輪につながるすべての人が確認され隔離されれば減少することになる」
WHO「韓国は拡散を統制できるだろう」
世界保健機構(WHO)のエムバレク博士が9日(現地時間)、韓国で広がる中東呼吸器症候群(MERS)コロナウィルスが「中東のMERSと変わりがない」と明らかにした。 また、韓国のMERS事例は、全て最初の感染者から広がったものなので、この感染連結が切れれば拡散は収束されると見通した。
エムバレク氏はこの日、スイス ジュネーブの世界保健機構本部で記者会見を行い、「まだすべての事例が同じ感染の輪に連結されている。今後の追加感染事例を予想できるし、(感染の輪に連結された)すべての人が感染するまでは(拡散が)続くと見る」と指摘した。 エムバレク氏は「(MERS感染者と接触した)すべての人が確認され、直ちに隔離されるならば拡散は減少するだろう」と付け加えた。
エムバレク氏は、病院外の地域社会での感染も一部発生する可能性があると指摘した上で「(病院感染ではない)地域社会での感染事例が一部出てきても驚くには値しない」と話した。 また「韓国では患者が診断を確認するために2~3カ所の病院で診察を受ける慣習がある」と紹介し、「現在、韓国での拡散は感染した病院が多いため」と明らかにした。さらにエムバレク氏は、韓国の病院30カ所で約3000件のMERS接触事例が報告されていると指摘し、「関連した病院の数とそれに伴う接触の規模を見れば、かなり多くの人々が関連しており、多くの相互作用があった」として、追加拡散を予想した。 エムバレク氏は「(韓国で)事例をもれなく追跡するために、できるかぎりの措置が取られている」と話した。
韓国MERSウイルスの変移の可能性についてエムバレク氏は「(韓国MERSが)中東で報告された発病事例と比較しても根本的には違いがない」と説明した。
世界保健機構は8日、福田敬二・事務次長など調査団を派遣して韓国で調査を行っている。 マーガレット・チャン世界保健機構事務総長はこの日「韓国がMERS感染の拡散を統制することになるだろう」と明らかにしている。世界保健機構は韓国に対する渡航自粛勧告を出していない。