本文に移動

中国産キムチの輸入で韓国“宗主国”としての地位揺らぐ

登録:2015-05-18 00:42 修正:2015-05-18 06:18
 「価格競争力」前面に洪水のように輸入
 高速道路サービスエリア・食堂・病院・学校など掌握
 中国に発酵食品として認められず、対中輸出不振
 円安で対日輸出も急減...貿易赤字雪だるま
中国産キムチに押される韓国のキムチ=パク・ミヒャン記者//ハンギョレ新聞社

 中国産キムチが私たち(韓国)の食卓を占領し、「キムチ宗主国」の地位が揺らいでいる。

 17日、関税庁の輸出入貿易統計によると、2010年から今年4月までのキムチ貿易赤字は8409万ドル(約914億ウォン、1円=約9ウォン)だ。昨年の場合、キムチ輸入量は計21万2938トン(2012年の国内キムチ出荷量は37万3196トン)で、輸入額は1億440万ドル(約1134億ウォン)だった。一方、輸出量は2万4742トンで、輸入量の10分の1の水準にとどまった。輸出額は輸入額より20%少ない8403万ドル(約913億)だった。

 キムチ輸出が減ったのは最大の輸出国である日本に輸出する量が減少した影響が大きい。日本は昨年、韓国のキムチを輸出した63カ国の中で比重が最も大きい(68%)市場だ。日本に次いで、米国、香港、台湾などの順で輸出量が多いが、これらの国へ輸出される量は、日本の10分の1にも満たない。日本への輸出額は円高がピークに達した2011年8682万ドル(約943億ウォン)を頂点に下落が続いている。昨年は、2011年より35%減少した5662万ドル(約615億ウォン)の輸出にとどまった。円安により日本現地で韓国産キムチの価格競争力が落ちたうえ、最近日本現地企業が日本人の口に合うキムチを開発し、韓国のキムチに対する需要が減ったからだ。

 韓国が輸入するキムチは、価格競争力を前面に出した中国産キムチが100%だ。大韓キムチ協会の集計によると、高速道路のサービスエリアのキムチの95%が中国産だ。中国キムチはレストランや病院、学校など大量に食事を提供するところで採用されていることが知られている。

 一方、中国に輸出している韓国産キムチはほとんどない。 2013年には、キムチの輸出実績が全くなく、昨年は3トン(約1万6千ドル)を輸出するにとどまった。中国が輸入キムチに適用する厳しい衛生基準のためだ。

 中国はキムチを発酵食品として認めず、100グラムあたりの大腸菌数が30匹以下でなければならないという中国式白菜漬け「泡菜(パオチャイ)」の衛生基準をキムチに適用している。中国の泡菜は発酵過程を経ずに殺菌処理するので、大腸菌がほぼ消滅するが、韓国のキムチは発酵過程を経る食品であるため、大腸菌群の基準を満たすのが事実上不可能だ。

 このため、韓国政府は5年前から中国にキムチの衛生基準を別に設けることを求めてきた。昨年7月にソウルで開かれた韓中首脳会談で両国首脳が「キムチの衛生基準」の問題の解決に向けて努力することに合意しており、中国側の変化が見られる。最近、中国政府は、キムチの衛生基準を国際食品規格に合わせて改訂すると世界貿易機関(WTO)に通報し、意見を集約している。中国への輸出の道が開かれたら、キムチの輸出先が日本だけに偏る現象も改善される見込みだ。

キム・ミヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-05-17 16:38

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/691543.html  訳H.J

関連記事