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[ニュース分析]軍裁判所とは異なり、ソウル地裁では「軍の積極的な大統領選挙介入」断罪

登録:2015-05-15 23:15 修正:2015-05-16 06:47
軍サイバー司令部前心理戦団長法廷拘束
イ・テハ前国防部サイバー司令部心理戦団長が昨年2月、初公判を終えソウル東部地裁から出てきている=イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 国防部調査本部は昨年8月、国軍サイバー司令部の大統領選挙世論操作疑惑について「軍が政治に関与する違法行為があったが、大統領選挙介入のために組織的に活動した事実はない」と発表した。しかし、15日、「民間法廷」であるソウル東部地裁のイ・テハ前サイバー司令部心理戦団長に対する判決文には、単純な政治的中立義務の違反を超えて積極的に選挙に介入した状況が具体的に現れている。

 イ前団長は大統領選挙直前の2012年10月から11月にかけて、イ中佐など4人に「アン・チョルス、文在寅(ムン・ジェイン)候補を誹謗し、朴槿恵(パク・クネ)候補を支持する内容の文章を作成せよ」と指示した。また、部隊員たちの「対応作戦結果報告」を作成する際には、「北朝鮮の大統領選挙介入の意図が明確になった状況で、大統領選挙への介入など、政治的表現も躊躇ってはならない」と促した。

 ソウル東部地裁「イ前心理戦団長
 大統領選挙直前アン・チョルス、文在寅誹謗
 朴槿恵支持文の作成を指示

 部隊員食堂に呼んで
 「作戦遂行よくやっている」と激励も

 「国民の政治的意思形成歪曲し
 自由民主主義の基本価値を毀損」と判決

 イ前団長は大統領選挙に際して、ソウル鷺梁津(ノリャンジン)のある食堂に部隊員たちを呼んで「指示された作戦遂行をよくやっている」と激励までした。この頃、サイバー司令部の部隊員たちは「文在寅は国軍統帥権者として大統領の資格がない」、「今回の選挙は本当に命をかけなければならないようだ。従北が目の前に迫って来た。文在寅は、民主党の価値が統合進歩党と同じだという」などの文を大量に掲載し、共有した。

 イ前団長が大統領選挙介入を指示した証拠と陳述などは、軍検察が作成した調書にすべて含まれている。ソウル東部地検とソウル東部地裁は軍検察からイ前団長とヨン・ジェウク、オク・トギョン元司令官の捜査記録をそのまま引き継ぎ、裁判を進めた。しかし、このような大統領選挙介入の具体的な情況は、先に行われた通常の軍事裁判所(1審)のヨン・ジェウク、オク・トギョン元司令官の判決ではあまり見当たらない。事案を意図的に縮小して処理し、極めて軽い処罰を与えたものと見られる。軍事裁判所はヨン元司令官に禁固8カ月に執行猶予2年を、オク元司令官には、事実上無罪同然の宣告猶予を宣告した。組織選挙介入活動について、より大きな責任を負わされなければならない上級者は軽い罰を受けて、中間管理者だけが法廷拘束されたことについて、公平性が問われかねない部分だ。 1審の軍事裁判所は、「敵味方の区別が難しいサイバースペースで北朝鮮のサイバー心理戦に対応する必要性が認められる」とか、「部隊員によって行われた犯行の具体的内容すべてを知って指示したとは思えない」とし、2人の元司令官に軽い量刑を宣告した理由を明らかにした。

 一方、イ前団長に対するソウル東部地裁の判断は、今年2月、ソウル高裁で国家情報院心理戦団職員たちに組織的な大統領選挙運動を指示した疑い(公職選挙法違反)が認められ、懲役3年を宣告されて法廷拘束されたウォン・セフン元国家情報院長の場合と内容や構造においてほぼ同じである。両法廷は、サイバースペースでの心理戦活動が「国民の政治的意思形成過程に介入してこれを歪曲し、国民の合理的な政治的選択を保障するために政党と政治家たちに与えられた平等な自由競争の機会を侵害した」、 「自由民主主義を守るために活動だったといいながら、自由民主主義の基本的価値観を毀損した」と評価した。ところが、似たような心理戦工作組織を指揮した人物なのに、ウォン元院長とヨン、オク元司令官の処罰は大きく異なる。

パク・テウ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-05-15 19:59

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/691458.html  訳H.J

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