韓国軍サイバー司令部の司令官などと共謀し、野党大統領候補や政治家を誹謗して与党大統領候補と政府の政策を擁護する文章をインターネットとソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に組織的に広めた疑い(軍刑法の政治関与・証拠隠滅公社教唆)で起訴されたイ・テハ前サイバー司令部心理戦団長(62)に、懲役2年の実刑が宣告された。これに先立ち、軍事裁判所は政治関与の疑いで起訴されたヨン・ジェウク、オク・トキョン前サイバー司令官の政治関与罪は認めながらも、「サイバー戦遂行の必要性が認められる」とし、それぞれ執行猶予と宣告猶予の判決を下した。一方、民間裁判所がサイバー司令部の活動を大統領選挙への積極的な介入と判断し、実刑を宣告したことで、軍事裁判所の消極的な処罰が問題になりそうだ。
ソウル東部地方裁判所刑事11部(裁判長ハ・ヒョングク)は15日、サイバー司令部心理戦団(530団)部隊員に政治的に偏ったコメント12万844件(2011年11月〜2013年10月)を流布するように指示し、捜査が開始されると、証拠隠滅を図った疑いで在宅起訴されたイ前団長に、懲役2年を宣告して法廷拘束した。
同地裁は判決文で「サイバー司令部の活動は、主権者である国民の政治的意思を歪曲するとともに、合理的な政治的選択のために政党と政治家たちに与えられた自由競争の機会を侵害した。これは軍の政治的中立義務を真っ向から違反したもの」だと明らかにした。さらに「イ前団長はヨン・ジェウク、オク・トキョン元司令官と順次的かつ暗黙的に“政治的意見”を公表することにした共謀関係が認められる」とし、サイバー司令部全体の共謀関係を認めた。サイバー司令部が事案別の世論操作の結果を「非難・反対世論○○%減少-支持・擁護世論○○%増加」のように具体的に表記し、上部に報告した事実も判決文で明らかになった。
特に同地裁は、イ前団長が大統領選挙直前の2012年10月から11月にかけて、部隊員たちに「アン・チョルス、文在寅(ムン・ジェイン)候補を誹謗し、朴槿恵(パク・クネ)候補を支持する内容の文章を作成せよ」と指示しており、ソウル・鷺梁津(ノリャンジン)のある食堂に部隊員たちを呼び、このような「作戦」の実行を激励したことを明らかにした。また、「北朝鮮の大統領選挙介入の意図が明確に明らかになった状況で、大統領選挙介入など、政治的な表現を躊躇ってはならない」としたイ前団長の指示内容を取り上げ、「積極的に政治的な表現をするように促した」と指摘した。
同地裁は「単に北朝鮮と“従北”勢力に対する論駁にとどまらず、政府の政策に反対する国内の政治家や政党を原色的で刺激的な用語を使って反対・誹謗した。特定の政治家と政党に反対・誹謗する内容であることが明らかである以上、政治関与行為に当たる」と判断した。
3級軍務員だったイ前団長は昨年1月に退職し、軍事裁判所ではなく、民間の裁判所で裁判を受けた。
韓国語原文入力:2015-05-15 19:53