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韓国軍サイバー司令部、選挙の度に本腰で政治介入

登録:2014-11-20 10:05 修正:2014-11-20 13:36
チョ・ヒョンチョン国軍サイバー司令官(後列左から二番目)などが先月8日、ソウル龍山区の国防部で開かれた国政監査で証人宣誓をしている。前列にいるのはハン・ミンク国防部長官。イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

オク・トギョンとヨン・チェウク元司令官の「控訴状犯罪一覧表」確認
大統領選挙一か月前は一日数十件ずつ載せ、選挙後は0~1件に激減

 2011年の10・26再補欠選挙から2012年4・11総選挙、そして大統領選挙などの重要な政治日程がある度に、国軍サイバー司令部(サイバー司)が本腰を入れてセヌリ党に肩入れしていた事実が分かった。サイバー司の要員が直接ネットにあげる文を作成したり広めたりしたコメントやツイッターを通しての政治関与の具体的なあり方が確認されるのは初めてだ。

 19日、『ハンギョレ』がチョン・ヘチョル新政治民主連合議員室を通じて入手したオク・トギョン、ヨン・チェウク元サイバー司令官の「犯罪一覧表」(控訴状に添付)をみると、サイバー司は重要な選挙日程ごとに総力対応に出た。2012年11月から大統領選挙投票日の同年12月19日まで数百件の選挙介入文を作成し広めていた。「確実に準備された大韓民国1等大統領朴槿恵(パク・クネ)候補」、「ムン・ジェイン(野党候補)に騙されたら玄関が北に開かれる」など与野党候補の当選と落選目的の文を集中的に載せた。

 サイバー司の活動は政治日程に従って集中的に動いた。大統領選挙一か月前の2012年11月から平均約20件ずつ文を作成していたが、選挙直後の2012年12月20日には1件、21日0件、22日2件など“開店休業”してしまい、活動の主目的が選挙介入だったことを傍証している。

 野党政治家に対する誹謗も選挙と密接な脈絡のなかで進められた。アン・チョルス新政治連合議員の大統領選挙出馬意志がはっきりしていなかった2012年初めには「チョルス様と政治は似合いません」などの“牽制球”を投げるレベルだったが、野党圏の有力候補になった後には、「カン・チョルス」(風見鶏のような意味)などの表現を使い「子どもじみて無責任なアン・チョルスの『済州海軍基地謝罪発言』…票になれば形振りかまわない者にこの国を任せることはできない」(11月2日)などの誹謗を続ける。

 大統領選挙投票時間の延長論議がおきると直ちに、11月6日から14日まで「投票時間延長に対する恐れと錯覚」という文を150回以上繰り返し広め、大統領候補による第1回討論会直後には、「朴槿恵候補の落選のために立候補した」と発言したイ・ジョンヒ統合進歩党候補を非難する「政界の暴力団は退出させなければならない」という文を約90件も載せた。

ヨン・チェウク、オク・トギョン元サイバー司令官

 サイバー司は2012年の4・11総選挙にも積極的に介入した。当時のハン・ミョンスク民主統合党代表に対する誹謗、キム・ヨンミン候補の暴言問題が主な内容だった。選挙がセヌリ党勝利で終わった後は二人を攻撃する文をほとんど上げなくなった。サイバー司がコメント活動を始めた2011年末には、10・26補欠選挙で当選したパク・ウォンスン ソウル市長が“非難工作”のターゲットだった。

 政治介入文を作成した要員は合計122人に達するものと確認された。サイバー司の心理戦団約200人のうち半分を超える。サイバー司が事実上政治介入のために作られた組織だとする疑惑が提起される所以だ。また、ヨン・チェウク、オク・トギョン元司令官はこのような活動を毎日報告を受け指示していたことが明らかになった。しかし、国防部検察団は当時国防長官だったキム・クァンジン大統領府国家安保室長を調査もせず、二人の元司令官を軍刑法上の政治関与容疑で不拘束起訴する線で事件を終結させた。

 チョン・ヘチョル議員は「二人の元司令官による組織的な政治介入の報告を毎日受けていたことが明らかになったのに、当時国防部長官だったキム室長はまったく責任がないと結論を出したのは納得できない」と話した。

ノ・ヒョンウン、ジョンファンボン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014.11.20 08:01 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/665332.html  訳Y.B

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