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韓国軍サイバー司令部の政治介入、1審で執行猶予が宣告されたが…

登録:2015-01-08 20:54 修正:2015-01-09 08:06
ヨン・ジェウク元司令官
ネット上のコメント、報告書の誤字脱字まで
「ゴマ粒のように細かく指示」
ヨン・ジェウク元サイバー司令官 (右)とオク・トギョン元サイバー司令官が、昨年12月30日、政治関連コメント作成容疑と関連した判決公判を前に、ソウル国防部普通軍事裁判所の弁護人控え室で待っている。普通軍事裁判所は同日1審公判で、ヨン元司令官には政治関与の容疑を認定し禁固8か月に執行猶予2年を言い渡し、オク元司令官には今後2年間資格停止以上の刑を受けなければ免訴される宣告猶予を下した。ニューシス

軍事裁判所の1審判決文によれば
チョン・ヘチョル議員が資料入手
ヨン・ジェウク元司令官
報告書草案を自筆修正するなど
コメント工作を緻密に点検

オク・トギョン司令官は先任のヨン・ジェウクに携帯メール
「内谷からの情報」国情院との協力情況

 2012年の大統領選挙当時、インターネット上の書き込みやツイッターなどを通しての国軍サイバー司令部の政治介入活動と関連して、ヨン・ジェウク元サイバー司令官がコメント投稿などの状況を自ら細かく点検していたことが明らかになった。

 7日、新政治民主連合のチョン・ヘチョル議員が国防部から受け取った国防部普通軍事裁判所のヨン・ジェウク元サイバー司令官およびオク・トギョン元サイバー司令官に対する1審判決文によれば、ヨン元司令官は2011年11月から2012年11月までサイバー司令官として勤務しながら、毎日午後5時、対応作戦結果報告書の草案を直接自筆で修正したり修正事項を指示したりしていた。報告書の草案は、特定の政治家や政治懸案の記事に対するコメントなど、政治工作を行う際の△対応主体△批判内容△対応方向(作戦指針)△対応結果(世論の賛否の動向変化の数値記載)などを具体的に整理した資料だった。また、翌日早朝6時にコメント数を含む総合的な作戦結果報告を受ける際には、文脈検討、誤字脱字、字句修正まで自ら手を入れ、最終本を点検していた。ヨン元司令官はこの過程で、満足できなければレーザーポインタを投げつけ叱責するほどに、対応作戦結果報告書を細心の注意を払って点検していた事実も確認された。

 ヨン元司令官がこのように緻密にコメント工作の状況を点検していたにもかかわらず、国防部調査本部は昨年8月の捜査結果発表当時、サイバー司令部の政治介入はイ・テハ元心理戦団長個人の誤った指示のせいという結論を下し、ヨン元司令官には報告を受けていながら適切な措置を取らなかった容疑(政治関与の特殊幇助)だけを指摘した。また、国防部普通軍事裁判所は先月30日、ヨン元司令官に対して、政治関与の容疑を認めながらも執行猶予判決を下している。

 ヨン元司令官がこのように細心の注意を払って報告書を点検したことについて、チョン・ヘチョル議員側は「キム・グァンジン元国防長官に報告するためのものだったのではないか」と疑惑を提起している。現在まで軍の捜査結果は、サイバー司令部の大統領選介入工作活動の最終報告者としてヨン・ジェウク、オク・トギョンの二人の元司令官だけを名指ししており、キム・グァンジン長官は報告を受けていないので責任がないということになっている。

 また、ヨン元司令官の後任であるオク・トギョン元司令官が、サイバー司令官赴任初期(2012年11~12月)に、国防部政策企画官に異動したヨン元司令官に対し「“内谷(ネゴク)”(国家情報院を指す)からの情報があります。時間がおありの時に電話で申し上げます」とか「国情院の国政調査に関連し、深く考えて対処お願いします」などの携帯メールを送っていた事実も、今回の判決文で明らかになった。判決文ではこのメッセージがどんな内容かは明らかにしていないが、当時2012年の大統領選挙を1か月後に控え、サイバー司令部の政治介入活動が最高潮に達し、国家情報院のコメント事件に火が点いた時期だったことを考慮すれば、サイバー司令部と国家情報院との間で大統領選挙直前に直接、選挙介入関連の情報をやり取りしていたのではないかという疑惑が提起される。 国防部調査本部は昨年8月の捜査結果発表当時、サイバー司令部と国家情報院の連携の疑いは発見されなかったと明らかにしている。

 また、これとともに、当時直接コメント工作を行なっていたサイバー司令部要員たちですら「一部の作戦内容があまりにも政治的」だとして問題を提起したが、530団長の指示で作戦を遂行し続けていたことも確認された。一部の要員たちは軍の捜査で「このような政治的なことまで(コメント)作戦をしなければいけないのだろうかと思った」と供述している。

 一方、1審裁判部は先月30日、ヨン元司令官に対し禁錮8か月、執行猶予2年、オク元司令官に対しては宣告猶予の判決を下した。ヨン元司令官は、大統領選挙直後の2013年1月に国防部政策企画官から大統領職引継ぎ委員会専門委員に異動しており、2か月後の3月には大統領府国防秘書官に任命され、特別待遇が問題にされていた。

ハ・オヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/672659.html 韓国語原文入力:2015/01/07 22:39
訳A.K(2233字)

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