セウォル号惨事1周年を迎え、先週末に相次いで開かれた大規模な追悼集会と文化祭に対し、警察が強硬な対応を示したことで、連行者と負傷者が続出した。 1周年当日の夜、大統領府周辺に「夜間外出禁止令」に匹敵する“封鎖作戦”を展開した警察は、18日、ソウル都心に車両の壁など、6重の阻止線を張って放水銃と催涙液を放ち、遺族21人を含む100人を連行する超強硬鎮圧作戦を行った。家族単位の市民が多数参加した集会に対して異例の捜査本部まで設置し、「最後まで追跡し処罰する」という「公安政局式対応」を見せたのには、政治的な背景があるという指摘も出ている。
警察庁は19日午後、記者会見で、「前日の集会で長時間道路を占拠したり、警察官を暴行するなど、不法暴力行為をした遺族21人など、参加者100人を現場で検挙した。ソウル地方警察庁に捜査本部を設置し、全国15の地方警察庁も捜査専門担当班を編成し、不法暴力デモの主導者と過激な行為者を最後まで追跡し、全員処罰する」と明らかにした。
警察発表に先だち、セウォル号遺族と市民、市民社会団体約500カ所の会員約3万人(警察推算8000人)は、18日午後3時からソウル市庁前のソウル広場で大規模な追悼行事を開いた。参加者と警察の間で衝突が始まったのはセウォル号の遺族が連行されてからだ。遺族70人は16日の夜、1周年追慕祭を終えた後、警察車の壁を突破し、ソウル光化門(クァンファムン)の楼台の前で野宿座り込みを行ってきた。このうち「ユミンさんの父さん」と知られるキム・ヨンオ氏など一部が、この日の午後、警察の解散作戦の過程で連行された。これを受けてソウル広場集会の参加者がイベントを中断し、光化門広場でデモ行進を始めたが、警察は「許可されていない行進」だとし、これを阻止した。
警察は、車の壁専用トラック18台と警察バスなどの車両470台、172個中隊約1万3700人を動員し、大統領府に行く途中である地下鉄3号線景福宮(キョンボックン)駅、光化門広場、世宗路(セジョンノ)交差点などを全面統制した。これに反発した一部の集会参加者が車の壁にスプレー塗料を塗ったり、警察バスの窓ガラスを割ったり、バスを縄で縛って揺らしたことに対し、警察は放水銃とカプサイシンが主成分の催涙液を使って鎮圧に乗り出した。この過程で集会参加市民9人が負傷した。
警察庁は「集会対応の過程で警察官74人が軽傷を負い、警察バスなどの車両71台が破損され、装置368点を奪われた。集会主催側に民事上の損害賠償も請求する予定だ」と発表した。
これに対して集会を主催したセウォル号家族協議会・セウォル号惨事国民対策会議などは、「惨事1周年に暴力鎮圧で追悼と献花すら阻止した警察に責任を問う」とした。キム・ソンス新政治民主連合報道官はブリーフィングで、「平和的な集会とデモ行進をする遺族と市民を、公権力を動員し阻止する政府の姿は、過去の軍事政権となんら変わりがない」と批判した。これに先立ち17日、国際アムネスティも追悼鎮圧の過程で催涙液を使用され、遺族の肋骨が折れた状況と関連して「平和的な集会と行進を鎮圧することは正当化できない。催涙液の散布は、暴力行為への対応というよりも、平和的な集会の参加者を解散させるためのもので、国際基準にも反する」と批判した。
大統領府の高位関係者は、過剰鎮圧めぐる議論について「大統領府が指示したことはない。(鎮圧は)完全に警察が現場で判断して行ったもの」とした。警察庁は「突然道路に飛び込んだ集会の参加者たちが大統領府に進出して、人間の帯を作ろうとした。緊迫かつ危険な状況だと判断した」と釈明した。
韓国語原文入力:2015-04-19 21:31