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朴槿恵風刺作家のドイツ展示作品が運送拒否され出品できず

登録:2015-04-07 08:31 修正:2015-04-07 11:40
ホン・ソンダム作家のドイツ「禁止された絵」展出品作
ホン・ソンダム作家がドイツ新社会美術協会の企画展「禁止された絵」展に展示しようとした作品の一つ『セウォル五月』 ホン・ソンダム氏提供//ハンギョレ新聞社

 汎洋海運「取り扱うなと担当重役の通知」
 明確な理由なく運送拒否…外圧疑惑

 昨年の光州ビエンナーレ特別展で朴槿恵(パク・クネ)大統領を風刺した大作『セウォル五月』を出品し、外圧問題の末に展示を撤回した作家のホン・ソンダム氏(60)が、セウォル五月を含む自身の近作を今月のドイツでの展示に出品しようとしたが、国内の運送社に明確な理由の説明もなく作品の運送を拒否され、問題になっている。

 5日にドイツのベルリンに出国したホン氏は前日にハンギョレと会い、この事実を明らかにした。ホン氏によると、今月17日から6月14日までベルリンの新社会美術協会(NGBK)展示館で開かれる「禁止された絵」展に、脱北作家のソン・ム氏(43)とともにセウォル月五月と『理念』(ソン・ム)など作品約10点を国内運送社の汎洋海運を通してドイツに送ろうとしたが、同社が今年2月末に運送拒否をドイツ主催側に突然通知し、作品の展示が失敗に終わったということだ。当初ホン氏はセウォル五月をはじめ『ゴールデンタイム』『バリカン―維新スタイル』『花見』『鶏の頭』など5点を展示し、ドイツの他の都市で巡回展も行う予定だった。

ホン・ソンダム氏が作品を展示しようとして失敗に終わったドイツ新社会美術協会の企画展「禁止された絵」展の展示ポスター ドイツ新社会美術協会提供//ハンギョレ新聞社

 ホン氏はハンギョレに、運送社側が2月24日に主催側に運送拒否を通知する際に送ったEメールを公開した。Eメールで汎洋海運側担当者は「会社内部の判断で取り扱わないとする担当重役の通知を受けた。理由を具体的に説明できないが、書類発行過程と通関過程で会社に致命的な問題があり得るという上層部の判断と思われる。マスコミで広く知られた絵なので、こうなったのではないかと判断する」と書いた。主催側の新社会美術協会の企画者ユ・ジェヒョン氏はハンギョレとの通話で「その後、他の現地運送社と交渉したが、差し迫った展示日程に合わせることができず作品展示を諦める他なかった」と話した。

 国内作家の作品が運送会社の拒否で外国展示が失敗したのは前例を探し難い。新社会美術協会は「常識的では考えられない事態だ。解明はもちろん損害賠償を請求しドイツ外務省を通した抗議書簡発送も検討中」としている。ホン氏とソン・ム氏は「具体的にどんな経緯があったか分からないが、明らかに外圧が作用した」とみなし、作品なしで現地で展示ができなかったことに抗議する絵を描いてパフォーマンスも行うと明らかにした。

 ドイツ新社会美術協会は約800人の会員が政府基金を受け協議体で運営する公共美術機関だ。協会は今年初めから表現の自由が抑圧される東アジアの状況を主題に、韓国、台湾、日本の作家8人が参加する展示を企画し、同企画は2月にドイツ政府が終戦70周年を迎え公募した反戦平和芸術行事の一つとして公式に選ばれ、展示開幕を準備していた。

ノ・ヒョンソク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-04-06 21:45

https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/685739.html 訳Y.B

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