民衆画家ホン・ソンダム作家(59)が光州(クァンジュ)ビエンナーレ特別展の作品としてカカシに描写した朴槿恵(パク・クネ)大統領を鶏に描き変えて出品することにした。
ホン作家は12日午前11時、光州市東区のナムドンメイホール ギャラリー4階懸け図作業場で<セウォルの五月>という作品(横10.5m×縦2.5m)中で、朴大統領をカカシに描写した部分を鶏に変える作業を公開した。 ホン作家は「鶏に修正した作品を特別展に出品する」と話した。
ホン作家は作品左上に朴大統領が父親の朴正熙元大統領とキム・ギチュン大統領秘書室長の操縦を受けているカカシとして描写されている部分に鶏の形状の絵を重ねて貼り付けた。 カカシ形状の朴大統領の後にあった朴正熙元大統領がかぶっている帽子に描かれた少将の階級章も花の形の絵で隠された。 ホン作家は「カカシを鶏に変えたため絵の意味が完全に変わってしまう。 維新の残党勢力が鶏を迫害して拷問する姿に見える。 鶏を見る市民軍の姿も、怒りよりはむしろ驚きの表情だ」と説明した。
ホン作家は作品の製作過程で朴大統領の形がカカシから鶏に変わることになった背景について説明した。 彼は「去る3日、光州市が美術館の学芸員を通じてカカシをなくしてほしいと要求したとのことを知り、拒否したが去る6日に学芸員が説得してカカシを鶏に変え、朴正熙元大統領の階級章も隠すことにした」と話した。 だが、ホン作家は「オ・ヒョングク光州副市長が去る7日‘主題に合わないという理由で絵の展示を許さない’という話を聞いて、みじめさと同時に怒りを感じた。 オ副市長は公開謝罪しなさい」と語った。 同時にホン作家は、市民運動家出身のユン・チャンヒョン光州市長に対しても「‘文化芸術に対して支援はするものの干渉はしない’という公約を守りなさい」と要求した。
今回の作品製作にはホン作家と同僚作家40人余りが参加した。 作品の中心部には、5・18市民軍と‘おにぎりおばさん’がセウォル号を逆さに持ち上げ乗客が無事生還する姿を形象化した。 ホン作家は「今回の‘光州精神展’の主題である甘露にあわせて(セウォル号を持ち上げて)子供たちが生還するようにした。 (80年5月の)光州のようなセウォル号に対する国家暴力を、新たな視角で描き出して被害者を治癒し慰労するための作品だ」として「このような暴力が無能な大統領がいたためであることを記録することが芸術家の使命」と話した。 ホン作家は「'セウォルの五月'作品が来年5月ドイツで<見せられない絵>というタイトルで展示されることが決定された」と明らかにした。
財団法人光州ビエンナーレと展示会責任者は、ホン作家の修正作品を見た後に展示の可否を決めるという立場だ。 光州ビエンナーレ財団は「ホン作家の作品を展示するか否かもまだ決定していない」と話した。 ユン・ボムモ( 嘉泉大 教授)特別展責任者も「今日午後、ホン作家の作品を最終的に見た後に補助責任者3人と共に議論して展示可否を決める」と話した。
一方、光州ビエンナーレ創設20周年を記念するために用意された特別プロジェクト‘甘露-1980その後’展がこの日午後開幕する。1980年5月の光州民主化運動で示された‘光州精神’を賛えるために企画された展示会だ。 この日、光州市立美術館で開幕した特別展には、14ヶ国から47人の作家が参加して多様な民衆美術を披露する。 故カン・ドッキョンさんの<奪われた純情>等、ナムヌの家 日本軍慰安婦被害者ハルモニ(おばあさん)17人の美術治癒作品17点も特別展に展示され注目を集める。
光州/文・写真 チョン・デハ記者 daeha@hani.co.kr