朴槿恵セヌリ党大統領候補が朴正熙前大統領に似た子供を出産する姿を表現した絵が美術館に展示され論難が起きている。
去る10日からソウル鍾路区(チョンノグ)堅志洞(キョンジドン)の平和博物館で開かれている維新40年企画‘維新の肖像展’に展示された民衆美術家 ホン・ソンダム(57)画伯の油絵作品‘ゴールデンタイム-ドクターチェ・インヒョク、生まれたばかりの閣下に挙手敬礼す’という朴候補が病院で出産する場面を描写している。 絵の中の朴候補は出産した赤ん坊を見て笑っていて、黒いサングラスをかけた赤ん坊は朴正熙前大統領の姿を連想させる。
絵を描いたホン画伯は、光州(クァンジュ)民主抗争を扱った版画連作などで良く知られた民衆美術家だ。 ホン画伯は18日<メディア オヌル(今日)>とのインタビューで「朴槿恵出産説に着眼した絵だ。 朴槿恵氏が独裁者の娘だ何だという評価とは別に、おかしな朴候補の処女性、非常識な女性の神秘主義の仮面をはがしたかった」と創作意図を説明した。 続けて彼は「憲法が保障する表現の自由がある。 憲法に基づいて認められた権利を保証されなければならないのは当然だ。 ひょっとして告訴・告発されても、憲法訴訟まで提起して表現の自由がどれほど貴重なものか、選挙のために個人の表現の自由を剥奪することが正しいことかを計ってみようと思う」と語った。
絵が知らされるやセヌリ党は鋭く反応した。 クォン・ヨンセ セヌリ党中央選対委総合状況室長は19日汝矣島(ヨイド)の党事務所で開かれた選対委会議で議論になった絵を示して「民衆美術家というホン画伯が描いた絵で、女性はもちろん多くの国民に羞恥心を感じさせている。 女性とすべての人にとって最も崇高な瞬間である出産を蔑み、朴候補を蔑視した絵を掲げた意図を尋ねざるをえない」と声を荒げた。 続けてクォン室長は「表現の自由には制限があるという部分を国民が知っている。 選対委は朴候補と女性、国民を代表してホン氏の絵にすべての法的措置を通じて強力に対応するだろう」と明らかにした。
これに先立ち18日アン・ヒョンファン セヌリ党選対委スポークスマンも公式論評を通じて「私たちは大統領選挙を前にしたこの瞬間、女性にとって最も崇高な瞬間である出産まで蔑みながら朴槿恵候補を蔑視する絵を掲げた意図が何か分からない」として「政治扇動の手段として、特に選挙を控えて特定候補を蔑視するために芸術が動員されるならば、そのような芸術は芸術にはなりえない」と批判した。
中央選挙管理委員会関係者は「該当美術品は限定された空間に展示されたもので、虚偽事実流布など選挙法違反とは見難い」と明らかにした。
ネチズンたちの反応は交錯している。 一部のネチズンは‘不快に感じても作品をありのままに認定しなければならない’と主張している。 ツイッターID@Jaem****は「保守勢力よ、お前たちが好きな米国では2008年オバマとペイリンに似た俳優が登場するポルノ映画が出てきたし、製作者はいかなる不利益も受けなかった。 それが民主主義だ」と意見を上げた。 @neilyou*****は「美しくて装飾的な絵だけが芸術の範疇に閉じ込めたいのだろうが…。 耽美至上主義から抜け出して人間の生全般とすべての社会現象を芸術は包括する」と意見を展開した。
"セヌル党よ、芸術を口実にした蔑視なのか、風刺なのか、あるいは芸術なのかは民衆が判断するよ。 セヌル党が大好きな米国ではよくあることが政治家の嘲弄なのに、何をそんなに怒っているのか」(@joku****)、「生物学的(出産)ではなく、維新の復帰と考えれば優れた芸術品! ‘ゲルニカ’はあっちへ行け!」(@leth*****) などの意見も続いた。
‘行き過ぎた人身蔑視’という批判も出ている。 「作家は表現の自由と人身冒とくの差を理解できないのか?」(@jum****)、「いくら反対陣営でも、これは表現の自由ではない。 候補である朴槿恵は攻撃しても良いが、自然人の朴槿恵を罵倒するのは正しくない」(@kopi****)、「朴槿恵をディス(批判)する絵を見たが、これは出産蔑視…」(@nolo_co*****) などの意見が続いた。
オム・ジウォン記者 umkija@hani.co.kr