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[ニュース分析]長考の末に代わり番人事…国家情報院長を秘書室長に

登録:2015-02-27 21:56 修正:2015-02-28 08:24
大統領府人事改編一段落
イ・ビョンギ新大統領秘書室長がまだ国家情報院長だった24日、国会情報委員会に出席している。イ·ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パク·クネ)大統領が27日、大統領府秘書室長にイ・ビョンギ国家情報院長を任命した。先月12日、年頭記者会見でキム・ギチュン秘書室長の交替を予告してから46日ぶりだ。政界の評価は分かれた。新任のイ室長が合理的で「疎通」を重視する人物という点では、朴大統領が世論を意識して人選を行ったという評価が出ている。一方、長年の側近であり、任命されてから7カ月しか経ってない情報機関長を選んだことで、本人の「狭い人材プール」の限界を再び表わしたという批判もある。

 朴大統領はまた、後任の国家情報院長候補者としてのイ·ビョンホ元安全企画部(現国家情報院)第2次長を指名した。大統領府広報首席にはキム·ソンウ現大統領社会文化特補が任命された。新設された大統領政務特補にはチュ·ホヨン、ユン・サンヒョン、キム・ジェウォンセヌリ党議員が、広報特補にはキム・ギョンジェ元議員がそれぞれ任命された。

 ミン・ギョンウク大統領府報道官は、「イ・ビョンギ新任室長は国際関係と南北関係に詳しく、政務能力とリーダーシップを備えており、山積した国政懸案について大統領を円滑に補佐し、国民と大統領府間の疎通の道を開くものと期待される」と人選の背景を明らかにした。また、「イ·ビョンホ国情院長候補者は、26年間、国家情報院の国際局長と第2次長などの要職を経て関連する経験と専門知識が豊富である」ことを抜擢の理由として挙げた。

 国政院長→秘書室長直行
 ”代わり番人事”の "限界また明らかに

 管理·調整に重きを置くスタイル
 “主導型”だったキム・ギチュンとは異なり
 “管理型”で大統領府運営する可能性
 南北関係の変化への役割を期待する見方も

 新しい国家情報院長にはイ·ビョンホ2次長

 この日の人選を最後に、朴大統領は昨年末、「チョン・ユンフェ文書」問題で始まった大統領府と内閣の人事改編作業を一段落し、3年目の国政運営のための準備を終えた。

 誰も予想できなかったイ・ビョンギ室長の抜擢は、“李完九(イ·ワング)首相カード”の効き目がなく、刷新圧迫が一層強くなった状況を考慮したものと見られる。イ室長は、この日の午後に行われた人事発表に先立ち、午前に最終的な通告を受けたという。以前候補とされてきた人物では世論がさらに悪化する可能性が大きくなるにつれ、与野党からの反発も少なく、野党やマスコミとも疎通できるイ室長を最後の最後で決めたのである。

 イ室長の抜擢を契機に、今後、朴大統領が大統領府を「主導型」ではなく「管理型」で運営し、実務指揮の重心を内閣側の方に置くかもしれないとの見方も一部から出ている。前任のキム・ギチュン室長が問題の一つひとつを直接取りまとめる「主導型」だったのに比べ、新任のイ室長は全体的な管理と調整に重きを置くスタイルというのが彼を知る関係者の一般的な評価だ。キム室長の空席は、最近、「長官評価三振アウト制」の導入などを宣言した李完九首相と“親朴長官”など親衛内閣に移っていく可能性があるということだ。

 朴大統領が外交・安保分野であまねく経験を積み上げたイ室長の専門知識を活かし、南北関係の変化模索にある種の役割を任せると見る人もいる。 3年目の国政成果が切実なだけに、経済と福祉の分野は内閣に任せ、短期間で成果を出しやすい南北関係は大統領府が直接取りまとめる形で進めていくという分析だ。大統領府秘書官出身がすぐに統一部長官に席を移したのに続き、秘書室長が公安検事出身の「タカ派」から比較的に会話を重視する「ハト派」に変わった構図も、このような観測を裏付けている。

 それでも朴大統領の今回の人事は、昨年7月に「国家情報院の改革」を約束して就任した国政院長を7カ月でその席から退かせ、「代わり番人事」を行ったという批判を免れないと思われる。人材を広く求めて破格的な刷新を行ったわけでもなく、自分が信頼できる「よく知っている人」だけを使う人事パターンが今回も繰り返されたのである。セヌリ党のある再選議員は「新任室長が実務的に仕事をうまく取りまとめるかもしれないが、国民が望むのは刷新」だとし「国民がよく知らない人であり、破格的な人物でもないので、民心で食べている首都圏議員としては残念だ」と述べた。人事改編を終えた朴大統領が刷新のもう一つの象徴のようになってしまった門番“3人組”を最後まで庇っているのも、疎通の意志を疑わせる部分だ。 3人を通じた“間接疎通”、“書面疎通”が続く限り、3年目の国政も右往左往していた過去2年間の様子とあまり変わらないはずだからだ。

ソク・ジンファン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015.02.27 19:53

https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/680142.html  訳H.J

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