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[朴槿恵政権の2年]対面報告嫌う朴大統領…気になれば電話、興味なくなれば連絡なし

登録:2015-02-23 01:21 修正:2015-02-23 17:10
門番に権力握らせる”書面統治”
朴槿恵大統領が1月12日午前、大統領府春秋館で年頭記者会見を行っている。青瓦台写真記者団//ハンギョレ新聞社

 「対面報告より電話1本ですぐに処理した方が便利な時もあります。対面報告がそんなに大切だとお思いなら、それを増やしていく方向にしますが...(長官を振り返り)それ必要だと思いますか?」

 1月12日の新年の記者会見で朴槿恵(パク·クネ)大統領は、「対面報告が不足しているではないか」と尋ねる記者の質問にこう答えて笑った。長官に向かって「対面報告があえて必要なのか」と質問するこのシーンは、過去2年間、朴槿恵大統領の国政運営方式がなぜ「不通」または「一方通行」として激しい批判を受けてきたのかを象徴的に見せてくれた。朴大統領にとって「疎通」とは、上意下達の「報告」を意味するだけで、意見が左右から交換される「討論」ではなかったのだ。

 勤務地が離れている長官だけではない。大統領府で大統領と一緒に働いている主要な参謀たちの事情もあまり変わらない。ほとんどの大統領府首席が朴大統領の顔を見ることができるのは会議の時だけだ。さらに一部の首席は朴大統領と一度も単独面談できず、大統領府を去る場合があるほど、朴大統領は「直接疎通」にはあまり時間を割かない。

長官や参謀、会議でないと大統領対面できない
一度も単独面談せず去った首席も
双方向ではなく選択的な一方通行の疎通
セウォル号事故の時「大統領の7時間」問題に

3人組通じなければ連絡する方法はない
結局「チョン・ユンフェ国政介入」波紋
「交替」の世論が沸騰しても物ともせず

 対面報告の代わりに行われるのは書面報告だ。朴大統領の“報告書好き”は、国会議員時代から有名だった。ソウル三成(サムソン)洞自宅からあまり出なかった朴大統領は、家にあるファックスで側近の報告を受けた。朴大統領が記者会見で言及した「電話一本」は、報告書を受けて疑問があったり指示することができてから初めて行われる「疎通」だ。朴大統領参謀は「大統領は何か気になることがあると、30分でも1時間でも頻繁に電話で詳細を訊く。そうするうちに興味がなくなれば、電話がぴったり途絶える。そのため、自分が捨てられたと誤解する人も時々いる」と伝えた。朴大統領の”電話”は双方向疎通ではなく、朴大統領の選択による一方通行なわけだ。

 朴大統領が国会議員や政党の代表だった時は「書面報告」で象徴されるような疎通方式がさほど大きな問題にはならなかった。しかし、国政の最高責任者となったからには致命的な欠点になりかねない。代表的な事例が昨年のセウォル号事故当日に浮上した「朴大統領の7時間」問題だ。朴大統領はこの日、21回(国家安保室10回、秘書室11回)の報告を受けたが、両方とも書面と電話を通じて行われただけで対面報告はなかった。セウォル号沈没についての最初の大統領報告は沈没速報から40分後に行われた。国家的災害が発生して現状把握と対策作りのために緊密に疎通しなければならない瞬間に、朴大統領と大統領府は報告書に張り付いていたのだ。事故が発生から8時間も経過してから中央災害安全対策本部を訪れた朴大統領が「学生たちが救命胴衣を着ているのに、彼らを発見したり、救助するのが難しいのですか?」と場違いな質問をした理由も、このような事情と無関係ではなさそうだ。

 ただでさえ閉鎖的な大統領府の構造に、報告書好きの朴大統領のスタイルまで加わった結果が正に”門番権力”の肥大化だ。公式的に報告書を伝達する役割を担っているチョン・ホソン付属秘書官をはじめ、国会議員時代から朴大統領を補佐してきたイ·ジェマン総務秘書官、アン・ボングン国政広報秘書官を通じなければ、いくら”側近”でも、朴大統領と連絡する方法がないというのが与党周辺での“定説”だ。党代表の時からそうだったが、大統領になってから一層ひどくなった。これまでキム・ギチュン大統領府秘書室長が「王ギチュン」、「ギチュン大院君」という別名で現政権のナンバー2の座を維持できたのも、このような疎通方式のせいだ。国政の最高責任者が「書面報告」に固執し、他の意見が入ってくるのを許さなかったので、報告書を渡せる立場の秘書室長と3人の威勢が強大になったのだ。最終的には朴大統領の”書面報告書”は、過去2年間の政権を苦しめた「不通」、「秘線」、「手帳」、「密室」などの言葉と同じ意味であり、”朴槿恵リーダーシップ”の要でもある。

 昨年末浮上した”チョン・ユンフェ氏国政介入”文書流出問題以後、キム秘書室長と門番3人組の交替を促す世論が大きくなったのも、実際には、朴大統領のこのような一方通行の国政運営を根本的に変えなければならないという注文だった。しかし、朴大統領は、いまだにこうした要求を徹底的に無視している。 「疑惑を理由に追い出してしまったら、誰が私の傍で働けるだろうか」と3人を庇護し、キム室長は「まだ仕事が残っている」と交替を先延ばしして名誉退陣に力を注いでいる。

 非朴系に分類されるセヌリ党のある重鎮委員は「大統領に責任を問えないから、側近の交替を要求したのに、朴大統領は『側近に不正と私心はない』と本質を避けた」とし「朴大統領が自分の責任を認めたくないということだろうし、これまで維持した国政運営方式を変える意志もないのではないか」と指摘した。

チョ·ヘジョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015.02.22 21:39

https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/679210.html?recopick=5 訳 H.J

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