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【社説】シム・ウジョン検事総長は直ちに辞任して特検の捜査受けよ

登録:2025-06-17 07:48 修正:2025-06-17 09:10
シム・ウジョン検事総長=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 シム・ウジョン検事総長とキム・ジュヒョン前大統領室民情首席が、盗聴防止機能付き電話(秘話フォン)で2回通話していたことが確認された。政治ブローカーのミョン・テギュン氏が「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領弾劾」に言及するなど、「ミョン・テギュン・ゲート」疑惑が手のほどこしようもなく膨らんでいた昨年10月ごろのことだ。2人が電話で話した数日後には、検察が(尹前大統領夫人の)キム・ゴンヒ氏のドイツモーターズ株価操作事件を嫌疑なしとしてもいる。

 シム総長は「あいさつして、検察政策および行政について話したと記憶している」と語ったが、この釈明を信じる人がどれほどいるだろうか。日常的な内容なら、なぜあえて盗聴防止機能付き電話で通話したのかという疑問が解けない。検事総長に盗聴防止機能付き電話を支給したのも、尹錫悦政権が初めてだ。検事総長にまで盗聴防止機能付き電話を支給するとは、どれほど秘密の指示を下すつもりだったのか。

 昨年9月にシム総長が任命された時から、キム・ジュヒョン民情首席との特殊な関係が取り沙汰されるほど、2人は親しい間柄だ。シム総長が法務部の検察課長だった時、キム首席は直属の上官である検察局長だった。「家族よりも深い」と言われるほど息がよく合ったという。そもそも尹前大統領がシム総長を指名したのも、キム首席を通じて検察の統制を容易にするためだと解釈する人が多かった。実際、シム総長はキム・ゴンヒ氏の株価操作容疑だけでなく、ブランドバッグ受け取り容疑もきれいさっぱり否定している。ソウル中央地裁による内乱首謀容疑での拘束取り消し決定に対し、即時抗告を放棄して尹前大統領を釈放したのもシム総長だ。これらすべての非正常な決定の背景にキム・ジュヒョンというメッセンジャーがいたことが疑われる。

 今回の盗聴防止機能付き電話での通話内容が明らかにならずとも、シム総長は特検捜査を避けるのは困難だ。非常戒厳時に防諜司令部の大佐が「選挙管理委員会に検察が来るだろう」と語っており、実際に最高検察庁に所属する検事が選管に出動したという疑惑が持たれている。シム総長が知らないうちに検察が戒厳に介入したはずがないことから、シム総長は特検の主な捜査対象者の一人だ。警察が申請した盗聴防止機能付き電話のサーバ記録に対する強制捜索令状を検察が複数回にわたって差し戻した理由も疑わしい。

 共に民主党は16日、「ノ・サンウォン手帳」などに対する内乱捜査をきちんとおこなっていないとして、シム総長を特殊職務遺棄の疑いで高位公職者犯罪捜査処に告発した。キム・ヨンヒョン前国防部長官ら内乱の主要任務従事者の拘束期限満了が近づいているにもかかわらず、検察が追加起訴していないため、彼らは相次いで釈放されつつある。内乱を厳罰に処す意志があるのかさえ疑わしい。シム総長はこれらすべてのことに責任を取って直ちに辞任し、特検の捜査を受けるべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1203106.html韓国語原文入力:2025-06-16 18:34
訳D.K

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