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サムスン、白血病補償交渉から下請け労働者を除く

登録:2015-01-27 00:09 修正:2015-01-27 07:45
サムスン「協力会社に1次責任があり除外」
パンオルリムと家族対策委は「補償に含めるべき」
サムスン電子で7年間にわたり設備エンジニアとして仕事をし、白血病に罹って2005年に亡くなったファン・ミヌン氏の夫人が2014年8月21日ソウル瑞草洞(ソチョドン)のソウル高裁で開かれた控訴審で原審同様に敗訴し、涙を流して裁判所を後にしている。ハンギョレ新聞社

 ナ・ユビョン氏(51・仮名)は2011年11月から京畿道華城(ファソン)にあるサムスン電子半導体工場の15、16ラインで勤務していた。 半導体を作る際に工程ごとに必要な各種化学物質を供給する所が化学物質中央供給装置室(CCSS)だが、ソルベントなどの化学物質が入ったドラム缶を倉庫から中央供給装置室に持ってきて、装置に連結するのがナ氏の主な業務であった。 ナ氏がドラム缶をパイプに連結すれば、該当工程に必要なだけ化学物質が自動分配される。 ナ氏が働いていた中央供給装置室には“危険、発ガン物質”という表示板が貼られていた。

 仕事をして1年余り経った翌年12月、ナ氏は突然頭痛がして背中の皮膚が痒くなり病院を訪れたところ、皮膚癌の一種である皮膚T細胞リンパ腫だと診断された。ナ氏は業務との関連性が大きいと考えている。毎日ドラム缶を開けて中央供給装置に連結する時はもちろん、その後も強い化学物質の臭いをかがなければならなかった。 時には化学物質が流れ出て、それを手でぬぐい取ったこともある。 昨年1月に工場を辞めたナ氏は同年10月に勤労福祉公団に労災を申請した。 ナ氏はサムスンの社内下請け業者の所属だった。

 サムスン電子の工場で働いて白血病など各種の難治性疾患に罹った人々の補償問題などを議論しようと、昨年末からサムスンと「半導体労働者の健康と人権を守るパンオルリム」と家族対策委などが参加した調停委員会が活動に入ったが、ナ氏が補償の対象者になる可能性は現時点では希薄だ。

 サムスン側が協力会社の職員は補償対象にしないと言っているためだ。 サムスン側は16日に開かれた調停委員会2次会議で「協力会社の部分は一次的に道義的・法律的責任が雇用した該当業者にある。未来指向的にアプローチして、協力会社(労災)予防や安全保健管理基準を高める形にすることが正しいと考える」と話した。

 ナ氏は26日、ハンギョレとの通話で「1年2カ月間、毎日サムスン電子の工場に出退勤して正社員と同様に仕事をしたのに補償対象から外されるのは納得できない」と話した。 パンオルリムと家族対策委は、原則的にこれら社内下請け労働者にもサムスンが補償しなければならないと要求している。

チョン・チョンフィ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/675348.html 韓国語原文入力:2015/01/26 20:30
訳J.S(1125字)

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