本文に移動

[深層リポート]半導体工場が地方出身20代高卒女性ばかり採用した理由は?

登録:2014-11-14 01:31 修正:2014-11-14 07:38
地方出身 20代高卒女性を主に採用したため?

生殖毒性が今さら問題になった理由は
企業秘密を理由に取り扱い物質を非公開

 半導体労働者2世の健康問題は母親である労働者の健康と直結する。一部の先天奇形は男性の遺伝子の影響が大きいと研究されているが、韓国の半導体産業の特性上、2世の健康権は女性の労働権と比例することになる。

 韓国国内の半導体産業が世界を先導することとは裏腹に、最下層にいる半導体生産職女性労働者の生殖毒性問題は今になってようやく名前がつく水準だ。

 取り扱い物質・工程を非公開とするのは、企業の営業上の秘密、先端技術産業に対する政府の保護などが一役買っている。 研究すら困難なためだ。

 過労死も韓国では産業災害と認めさせるためには、長期にわたる訴訟を覚悟しなければならない状況で、女性の個人的問題と見なされがちな流産、奇形児出産などは一層公論化が容易でない。

 特に「20代の地方出身女性に対する統制労働」と言われる韓国半導体産業の特性が付け加わる。 地方で高等学校を卒業したばかりの若い女性を主に採用し、生産性を最大化して、いわゆる“労働権費用”は最小化するやり方だ。イ・ジョンラン労務士(パンオルリム常任活動家)は「多くの半導体生産職の女性が、地方の実業高校から就職して寮生活をし、言われるままに働いてばかりいた結果、自分の権利に相対的に暗くならざるをえなかった」として「女性労働者仲間で生殖毒性問題が共有されるのは容易なことではなく、共有されても不妊治療や人工受精にはどの病院が良いかという程度の情報を交換するレベル」と指摘した。

 実際、1990年代末にサムスン電子器興(キフン)工場のファブ3課C班の人員109人(統制室4人、生産職男性1人を除外)の出身高校現況をパンオルリムから入手・分析した結果、ソウル出身は永登浦(ヨンドンポ)女子商業高校を卒業したユさん(38)だけだった。 人員別に見ると全羅南・北道の高校出身が72人(68.3%)で多数を占めた。 反面、首都圏出身は18人(17.3%)だけだった。

 現在、パンオルリムと共に遺族・療養給付申請や労災行政訴訟を進行中の女性労働者30人(協力会社・男性・学校未確認を除外)の中でも、嶺湖南(慶尚道と全羅道)と江原道の実業高校出身が80%(24人)を占めている。 ソウル出身はいない。 首都圏は5人(16.7%)だった。

 サムスン電子白血病問題が公論化され、多種多様な化学物質を取り扱う仕事場から女性の生殖毒性に関する自覚が徐々に進んではいる。 先天性心臓疾患の子供を出産した済州医療院の看護師4人が「病院の業務強度と有害薬品取り扱いが胎児に影響を及ぼしたので、子供にも業務上災害を認めなければならない」として勤労福祉公団を相手に今年2月に訴訟を提起した。

 昨年10月、キム・ミョンヒ市民健康増進研究所常任研究員(予防医学専門医)とウン・スミ議員室が健康保険公団の資料に基づいて△サムスン電子を含む半導体(電子)事業体の30代女性労働者が他職種の女性労働者より最大で94%自然流産診療を多く受けており△月経異常も20・30代共に最大で40%多く受診していると明らかにした。生殖毒性の影響評価を数値化したといえる。

 サムスン電子出身の女性労働者を多数インタビュー調査したキム・ジンヒ慶煕サイバー大学教授(アメリカ学)は「サムスンが最近公開採用で女性生産職を採用することによりこのような批判を薄めている」として「一時期、環境(安全)手帳もエンジニアだけに与えたように、取り扱い物質の危険性に対する知る権利から女性生産職が排除されている問題を優先的に克服しなければならない」と話した。

イム・インテク、オ・スンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/664482.html 韓国語原文入力:2014/11/14 00:29
訳J.S(1824字)

関連記事