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混迷する韓国野党…朴槿恵大統領の元参謀を党非常対策委員長に起用

登録:2014-09-12 01:02 修正:2014-09-12 05:59
新政治連合パク・ヨンソン代表の意中にあるイ・サンドン教授
「朴槿恵大統領当選の功臣が野党委員長になるのは非常識」
「選任手続きにも問題」と元老・初当選議員が反対の声
イ・サンドン中央大学教授 資料写真//ハンギョレ新聞社

 パク・ヨンソン新政治民主連合院内代表が11日、党革新作業を陣頭指揮する非常対策委員長にセヌリ党非常対策委員出身のイ・サンドン中央大学教授を内定した。党内では“保守”に分類されるイ教授の政治性に加え、前回の大統領選挙でセヌリ党の非常対策委員として活動して朴槿恵大統領の当選に貢献した履歴があるため、激しい拒否感が起きており、外部の“非常対策委員長カード”が新たな争乱の種になりつつある。

 パク院内代表はこの日、国会で開かれた民生法案関連の政策懇談会で、「国民共感革新委(非常対策委の公式名称)を率いる力量ある方を外部から迎え入れる予定」であるとし、「政治と政党改革の学問的理論を備え、現実政治にも理解が非常に高い方の受け入れを推進している」と明らかにした。パク院内代表は受け入れを推進している外部の人物が誰か口を閉ざしたが、懇談会直後に様々なルートから“イ・サンドン説”が伝わりだした。イ教授はこの日の朝、自身と近い政界元老に電話し、新政治連合非常対策委員長の就任を打診された事実を伝え、意見を求めていたのが確認された。ある院内関係者も「イ教授は迎い入れの打診を受諾した状態」と話した。

 イ・サンドン打診説が広まった党内は蜂の巣をつついたような騒ぎになった。初・再選議員の集まりである「より良い未来」はこの日午後に緊急会議を開き、「セヌリ党非常対策委員だったイ・サンドン教授を党の非常対策委員長に迎え入れるのはあまりに不適切だ」と党指導部に迎い入れ作業の中断を求めることにした。“親盧”に分類されるある首都圏再選議員は、「合理的保守に属す人とはいえ、我が党の正統性に合わないのは事実ではないのか」と反発した。市民社会出身のある初当選議員は「セヌリ党非常対策委員出身を党の非常対策委員長に据えるのは常識から外れている。反対声明書を出すつもりだ」と声を荒げた。

 選任手続きに問題があったという指摘もある。キム・ハンギル前代表に近いある再選議員は、「党内世論の収斂もなくマスコミに漏らした後、雰囲気をみようという浅はかな計算が読み取れる」として、「セウォル号交渉失敗の前轍を踏んでいる」と糾弾した。3選議員が軸となる革新的な集まりと故金槿泰(キム・グンテ)常任顧問の系譜の民主平和国民連帯などの党内グループも、近くイ教授内定の対策を論議することが分かった。

パク・ヨンソン新政治民主連合院内代表(中央)が11日午前、国会で開かれた民生法案関連の政策懇談会で硬い表情で参加者の発言を聞いている。キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 パク院内代表が自身が兼任している非常対策委員長職の去就について明確な表明をしていないのも問題になる。この日の懇談会直後、パク院内代表周辺では「非常対策委員長職を完全に降りるのか、それとも外部の人士と共同で引き受けるかは、党内世論などをみて最終決定するだろう」という話も漏れ伝わる。これをもって党の一角では、内部事情に疎い外部人士を脇役にたて、次期党権と総選挙公薦の変数となる地域委員長選任に影響力を行使しようという意図があるのではないかという観測もでている。ソン・ハッキュ元代表に近い当選多数のある委員は「混迷した党の責任を負うというなら非常対策委員長から降りるべきであり、なにをしているのか理解できない。パク・ヨンソンの独善と欲が党を壊している」と批判した。

 パク院内代表側は、共同非常対策委員長体制はイ・サンドン教授側が先に提案したものだと弁明した。パク院内代表に近い人物は「週末まで非常対策委員長を共同でやるか、単独でやるかを調整できず、最終決定が遅れる」として「イ教授は党の事情に疎い自分が党革新の重い責任が集中するのは望ましくないと考え、パク院内代表が共同委員長を引き受けてくれることを希望した」と伝えた。

イ・セヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014.09.11 18:07

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/654764.html?_fr=mt1 訳Y.B(1.605字)

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