キム・ヨンヒョン前国防部長官の弁護団が法廷で騒ぎを起こし、監置処分まで受けた。釈放されたものの、反省するどころか、内乱法廷を侮辱する態度を改めずにいる。ソウル中央地裁は厳正に対応する方針を明らかにしている。内乱という重大な犯罪を審判する法廷を乱し、法秩序をもてあぞぶ弁護士をいつまで放置しているつもりなのか。裁判所は直ちに断固たる措置を取るべきだ。
19日のハン・ドクス前首相の内乱裁判(イ・ジングァン裁判長)で監置を命じられたものの、身元を明かさないという小細工の末に釈放されたイ・ハサン弁護士は、共に監置を命じられたクォン・ウヒョン弁護士とともに、ユーチューブ放送でイ裁判長に対して口にするのもはばかられる罵詈雑言を浴びせただけでは足りず、21日のキム・ヨンヒョン前長官の裁判(チ・グィヨン裁判長)でも暴言を吐いた。イ弁護士は公判中、本案と関係のない監置処分に言及しつつ、「裁判所が私たちの個人情報を違法に用いて(監置を)執行するという話がある。大韓民国の裁判所でそのようなことをしてはならないと申し上げる」と述べた。やはりキム前長官の弁護団の一員であるユ・スンス弁護士は、「(私たちも)監置されたのだから、検事も監置してほしい」とも述べた。彼らはただでさえ荒唐無稽な言動で裁判を戯画化し、遅延させてきたが、監置処分後はむしろ凱旋(がいせん)将軍にでもなったかのように、よりいっそう法廷をもてあそんでいる。
ソウル中央地裁は21日、「弁護士が裁判長に対して罵詈雑言を浴びせるなど人身攻撃的な発言をおこなったことは、裁判長の人格に対する深刻な侮辱であるだけでなく、裁判官の独立と裁判手続きに対する国民の信頼を大きく傷つけうる違法で不当な行為であり、決して容認できない」との立場を明らかにした。「法曹人として当然守るべき品位と責任をかなぐり捨てた者に対して、今後は関連法と手続きに則った適切な措置を取る予定」だとも述べた。口先だけで終わってはならない。裁判所は告発や懲戒要請を検討中だというが、直ちに実行に移すべきだ。このような事態に手をこまねいていると、裁判所の権威は失墜し、司法への信頼は地に落ちてしまうだろう。
チ・グィヨン法廷はこのような弁護人に引きずり回され、裁判が笑いものになるにまかせている。そのうえ裁判が限りなく延びていることで、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領とキム・ヨンヒョン前長官の裁判は拘束満了期限を超えることになった。8月29日に起訴されたハン前首相に対する判決が、1月26日に起訴された尹前大統領より先に下される予定になっている。遅れた正義は正義ではないと言っていた最高裁は、このような非常識な状況をどう説明するのか。裁判所は、内乱犯に対する断罪が揺らぐのではないかという国民の懸念に、断固とした態度で答えるべきだ。